2013 Fiscal Year Annual Research Report
OX40リガンドを分子標的にした難治性喘息治療法の開発
Project/Area Number |
24790093
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
大友 隆之 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (90463108)
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Keywords | 気管支喘息 |
Research Abstract |
重症・難治性喘息症例においては、その多くはステロイド抵抗性であるため、高容量吸入ステロイドはもちろん、経口ステロイドに加えてテオフィリン、抗ロイコトリエン薬、長時間作用型β刺激薬等、多種類の治療薬を併用してもなお満足な治療効果が得られていない。そのため、現行の薬物治療では十分な効果が期待できない。喘息重症・難治化のメカニズムの1つに、in vivoのT細胞レベルでステロイド抵抗性が明らかになっている。T細胞活性化にはT細胞受容体(TCR)を介する抗原特異的なシグナルと共刺激分子を介する抗原非特異的シグナルが必要であるが、申請者らのin vitroの実験から、TCRシグナルのみの活性化と比較して、TCRシグナルと共刺激シグナル両方を活性化するとステロイドに対する抵抗性が高くなるという結果が得られている。そのため、共刺激シグナルの遮断はT細胞のステロイド抵抗性を改善し、重症・難治性喘息に効果を示すことが期待される。OX40リガンド(OX40L)は抗原提示細胞上に発現している共役分子の1つで、T細胞上に発現しているOX40と結合して共刺激シグナルの活性化、活性化T細胞の生存や増殖を増強することが知られている。OX40Lトランスジェニックマウスでは、CD4陽性記憶T細胞数が増加し、その機能も著しく亢進することが分かっている。そこで本研究では、OX40/OX40Lを介した共刺激シグナルがT細胞のステロイド抵抗性に与える影響を検証する目的で、OX40L欠損マウス(OX40L-KOマウス)で喘息モデルを作製して検討した。その結果、OX40L-KOマウスではステロイド薬の効果が高く、低濃度のステロイド薬で、気道過敏性の亢進や気管支肺胞洗浄液中への好酸球浸潤が抑制された。これらの結果から、OX40ならびにOX40Lは、難治性喘息治療薬開発の新たな分子標的となる可能性が考えられた。
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[Presentation] Adoptive transfer of Th clones confer late-phase asthmatic response in mice.2013
Author(s)
Mori, A., Kouyama, S., Yamaguchi, M., Iijima, Y., Itoh, J., Saito, N., Minami, T ., Watarai, K., Mitsui, C., Oshikata, C., Tanimoto, H., Fukutomi, Y., Sekiya, K. , Tsuburai, T., Taniguchi, M., Maeda, Y., Ohtomo, M., Hasegawa, M., Akiyama, K., Ohtomo, T., and Kaminuma, O.
Organizer
European Academy of Allergy and Clinical Immunology-World Allergy Organization World Allergy & Asthma Congress 2013
Place of Presentation
Milan, Italy
Year and Date
20130622-20130626