2013 Fiscal Year Annual Research Report
核小体シャペロンNVL2が制御するrRNAプロセシング複合体のプロテオミクス解析
Project/Area Number |
24790095
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石田 洋一 明治薬科大学, 薬学部, 助教 (90510454)
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Keywords | プロテオミクス / 分子シャペロン |
Research Abstract |
(研究成果の具体的内容) 核小体AAA-ATPase NVL2が脱会合を制御する複合体因子を同定するため、これまで蛍光ディファレンシャル二次元電気泳動法(2D-DIGE)とMALDI型質量分析計を用いたプロテオミクス解析により、TRAMP-エキソソーム複合体の構成タンパク質を網羅的に同定する手法を確立した。NVL2のATPaseドメイン変異体の発現下においては、TRAMP-エキソソーム複合体に脱会合因子が蓄積するという仮説に基づき、今年度は、各種NVL2変異体(K628MまたはE365Q/E682Q)を発現させることにより複合体との相互作用が増加するタンパク質の同定を行った。その結果、NVL2 E365Q/E682Q変異体の発現により、TRAMP-エキソソーム複合体構成因子DOB1との相互作用が増加するタンパク質として、SPF30およびWDR74の同定に成功した。 (意義および重要性) SPF30は、酵母においてmRNAのスプライシング反応やエキソソームと機能協調してヘテロクロマチン形成に関わるとの報告がなされている。また、WDR74は、酵母においてNVL2の酵母オルソログであるRix7と協調してリボソーム生合成に関与する。しかし、ヒトにおけるSPF30およびWDR74の機能はほとんど明らかにされていない。さらに、ヒトTRAMPが関わるRNAの3'末端ポリアデニル化との関連性も不明である。本研究は、基礎研究としては、NVL2がそのATPase活性により、TRAMP-エキソソーム複合体から脱会合する因子として、SPF30とWDR74を世界に先駆けて明らかにした点で非常に意義深く、複合体の分子構築制御やTRAMP-エキソソームを介したRNA分解の制御機構の解明に寄与するだけではなく、医学的にもリボソーム病などのrRNA代謝異常の病因を解明する上での基礎となる。
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