2013 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病モデルにおけるエズリンの病態生理的機能の解明
Project/Area Number |
24790097
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
位田 雅俊 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (70512424)
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Keywords | Ezrin / Radixin / Moesin / パーキンソン病 |
Research Abstract |
Ezrinは、スキャホールドタンパク質であり、Radixin、Moesinと共にERMタンパク質ファミリーに含まれる。中枢神経系において、Ezrinの生理的や、病態生理的機能は不明である。本研究では、Ezrinと中枢神経との関連性や生理機能を解明し、さらに脳環境でも検証することで、臨床応用へと展開するため基盤研究を確立することを目的としている。本年度は、ERMタンパク質それぞれの機能の違いについては検討した。本研究では、Ezrin knockdown(Vil2kd/kd)、Radixin knockout(Rdx-/-)、Moesin knockout(MsnY/-)マウスの胎仔から採取した初代培養神経細胞を用いて実験を行った。 Vil2kd/kd神経細胞は、神経突起の数が減少していたが、数や軸索の長さについて変化は観察されなかった。Rdx-/-神経細胞は軸索の長さが減少していたものの、神経突起の長さや数に変化はなかった。MsnY/-神経細胞は神経突起の数と軸索の長さが減少しており、神経突起の長さに変化はなかった。次にそれぞれの神経細胞におけるRhoA、Rac1、Cdc42の活性を測定した結果、Vil2kd/kdにおいてRhoAの活性が上昇していることを確認した。Rac1やCdc42の活性に変化はみられなかった。一方、Rdx-/-、MsnY/-に関してはRhoA、Rac1、Cdc42いずれの活性にも顕著な差は観察されなかった。さらに、Vil2kd/kd神経細胞においては、RhoA/Rho kinaseの下流で突起生成を抑制するとされているmyosin light chain 2のリン酸化が亢進していた。Rho kinaseの阻害剤であるY-27632の添加によって神経突起生成の異常が回復したことから、EzrinはRhoAの制御を介して神経突起の生成に関与していることが明らかになった。今後、病態時におけるERMタンパク質の役割を明確にすることで、再生医療に役立てて行きたい。
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Research Products
(4 results)