2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規抑制型抗体によるヒトTLR4機能抑制性エピトープの同定と新規活性制御法の開発
Project/Area Number |
24790112
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塚本 宏樹 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (70423605)
|
Keywords | 免疫学 / TLR4 / MD-2 / リポ多糖 / モノクローナル抗体 / 敗血症 |
Research Abstract |
本研究では、新規抑制抗体HT52が認識するヒトToll-like receptor 4 (TLR4)上の抑制性エピトープを同定、その抑制機序を解明し、新規作用機序によるTLR4機能制御法・制御薬開発の分子基盤を構築することを目的とした。 今年度は、HT52抗体の作用機序について、2種類のタグ(FLAG及びGFP)を付与したTLR4の共役免疫沈降法により解析し、HT52が不活性なTLR4の多量体構造を誘導することが示唆された。現在、TLR4細胞外ドメイン(sTLR4)を分泌する安定発現細胞を作製し、分子レベルでTLR4の構造変化について解析を進めている。また、昨年度作製したHT52とは異なるエピトープを持つHT4抗体についても同様の方法で解析し、やはり不活性なTLR4多量体構造を誘導することが示唆された。このような抑制機序は、これまで報告のない新規な作用機序に基づくTLR4機能抑制薬として期待される。 前年度から継続し、HT52が認識するTLR4細胞外領域の抑制性エピトープを同定するために、N末端50-190の各LRR欠損体を作製した。しかしながら、システイン残基の架橋によると想定される凝集体構造が形成されたため、Cys→Serの変異体を作製し、現在解析を進めている。 前年度から継続し、TLR4細胞外抑制性エピトープを標的とした新規抑制抗体の作製を試み、HT52とTLR4の結合を阻害するHTB2抗体を作製することに成功した。TLR4/MD-2とNFkappaBレポーター遺伝子を発現するBa/F3細胞を用いた活性評価系において、HT52とエピトープがオーバーラップするHTB2抗体もTLR4抑制活性を有することが示唆された。したがって、TLR4機能抑制抗体医薬品の創薬標的構造として、TLR4上の機能抑制性エピトープの存在が強く示唆された。今後、上記のLRR欠損体を用いた解析により、そのエピトープの同定を継続して進めていく。
|
Research Products
(11 results)