2014 Fiscal Year Annual Research Report
非天然アミノ酸を組み込んだ持続性BACE1阻害剤の設計と合成
Project/Area Number |
24790117
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柿澤 多惠子 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (60445963)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 創薬科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病患者の脳では、アミロイド β ペプチド(Aβ)などから構成されるアミロイドプラークの沈着が認められ、Aβ の産生には β セクレターゼ(BACE1)が関与していることが知られている。本研究は BACE1 阻害剤の開発を目的としているが、予定した研究期間内での研究代表者の所属機関の変更があったため、新しい所属機関内でリコンビナント BACE1 を用いた酵素アッセイ系を整えた。リコンビナント酵素と合成ペプチドである基質を含むバッファー溶液を 37 ℃ でインキュベートし、HPLC および MALDI-TOF MS を用いて解析したところ、想定した P1 部位での基質の切断が確認された。 調整した酵素アッセイ系を用いて、申請書の研究計画の 2 年目以降に計画していた第 2 次スクリーニングを行った。 すなわち、BACE1 基質の P4-P1’部位のさらなる基質ライブラリの作成と酵素を用いたスクリーニングを行い、薬剤設計に有用なアミノ酸残基を探索した。まず、様々な側鎖を持つ非天然アミノ酸を選定し、基質の P4-P1’部位のそれぞれの部位でライブラリ化したペプチドを一般的な固相合成法によって合成した。合成基質ライブラリと酵素をインキュベートし、HPLC と MS を用いてペプチドのピーク面積、および切断されたペプチドの N 末端および C 末端のフラグメントを解析したところ、P4-P1’部位でそれぞれ有用と思われるアミノ酸の情報が得られた。これらの結果を今後の薬剤設計の研究に活用する予定である。
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