2013 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の高次構造構築制御による生体応答調節の基礎医薬基盤
Project/Area Number |
24790119
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
青山 洋史 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (40374699)
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Keywords | 虚血・再灌流障害 / ミトコンドリア / ダントロレン / C型肝炎 |
Research Abstract |
二年間の研究期間に於いて一年目である昨年度は、リード化合物であるダントロレンの構造展開を行い、カルシウムイオンによるミトコンドリアの膨潤破裂を指標とした評価系を用いて構造活性相関を展開した。まず、微弱ながらもダントロレンが保護作用を示すことを確認し、続いてダントロレンの3種類の環構造、特にフェニル基とヒダントイン部それぞれに対する構造修飾体を種々合成し、ミトコンドリア保護作用の有無の検討を行った。その結果、フェニル基部位、ヒダントイン部位およびこれらを繋ぐリンカー部それぞれに活性向上につながる知見を得ることができた。最終的に構造の最適化を行った化合物には、数十mM程度の濃度でミトコンドリア保護作用を示すことが確認された。既存のミトコンドリア保護作用剤であるシクロスポリンAは数mM程度の濃度で活性を示すため、活性面では課題は残るが、シクロスポリンAと比べて大幅に分子量の低減と構造の簡略化成功したことは大きな成果と考えている。 また最終年度となる二年目には、一年目で開発に成功した低分子量化合物の更なる高活性化を目指した構造展開を模索した。具体的には活性向上が最も見込まれるヒダントイン部位の窒素原子上への塩基性官能基の導入を検討した。計画した化合物の合成は最終年度中には達成されなかったが、使用可能な保護基の情報や化学的な安定性など、今後の研究へつながる様々な知見をえることができた。また、酵素活性を指標とする活性評価法の構築にも取り組み、実用段階には至らなかったものの条件検討を重ねることによって問題解決しうる段階まで検討することができた。
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