2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内還元環境に応答して活性化するsiRNA創薬の開発
Project/Area Number |
24790121
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
中川 治 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (90380691)
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Keywords | RNA干渉 / siRNA / プロドラッグ / 機能性核酸 / 核酸化学 |
Research Abstract |
RNA干渉を基盤とした核酸医薬の実用化に向けて、本代表者らはプロドラッグ型siRNA分子:2'-O-メチルジチオメチル-オリゴヌクレオチド (MDTM-ON) を開発してきた。本分子は細胞内のような還元的環境下で速やかに分解され、RNA型である2'-OH-ONへ変換が可能である。本研究ではMDTM-ONをRNA干渉法へ応用することを目的とし、最終年度は以下の3点を検討した。 (1) 前年度に"オリゴ合成後修飾法"により効率よくDNA配列中にMDTM体の導入に成功した。そこで本年度はより実践的なRNA配列でMDTM体の合成を試みた。安定前駆体2'-O-トリメトキシベンジルチオメチル (TMBTM) 体をRNA配列中へ効率よく導入し、効果的にMDTM-RNAへ変換可能であった。更に21 mer鎖長のsiRNA配列においてもTMBTM体を合成できた。MDTM-RNAは相補鎖RNAに対して天然RNA二重鎖と同等の親和性を示し、RNA干渉法へ理想的な特性を有していた。(2) オリゴ合成後修飾法を応用し、TMBTM-ONから末端置換基を従来のメチル基からエチル基、プロピル基へ変換した誘導体の合成に成功した。また末端アルキル鎖長を変化させることで2'-OH-ONへの還元反応速度を制御できることが分かった。(3) 前年度に引き続きA, G, C, Uの核酸塩基を有するTMBTMアミダイト体の合成を試み、各工程で収率の向上に成功した。今後、全4塩基を有するオリゴ合成を試みる。 本課題研究において、優れたプロドラッグ型siRNA分子:MDTM-ONを開発することに成功した。また実用的な合成法として“オリゴ合成後修飾法”を確立することに成功し、本法を応用することで各種誘導体合成も可能となった。今後、細胞を用いたRNA干渉評価が期待される。
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Research Products
(7 results)