2013 Fiscal Year Annual Research Report
食品と食品包装材に含まれるナノ粒子の安全性評価と薬物相互作用の基礎的研究
Project/Area Number |
24790127
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
磯田 勝広 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (60423117)
|
Keywords | 毒性学 / 食品衛生学 |
Research Abstract |
近年、食品と食品包装材の中にはナノマテリアルの使用が確認されているが、未だこれらのナノマテリアルの安全性及び、薬物の相互作用の解析は皆無に等しい。本研究は、食品と食品包装材に含まれるナノ粒子の物性―毒性相関に関する基礎的知見を集積し、安全性評価を行うことで国民に安心を確保し、予想されない相互作用を未然に防止し、国民生活の安全に貢献する。 平成25年度はナノクレイ粒子と粒子径1nmと8nmナノ白金粒子の経口投与と尾静脈投与による急性毒性および、シスプラチンなどの医薬品との薬物相互作用を検討した。経口投与による検討では、ナノクレイ粒子(用量20mg/kg)をBalb/cマウス(♂、8W)に投与した。肝臓に対する安全性の検討するためにALT値とAST値、腎臓に対する安全性を検討するためにBUN値を測定した。結果、測定したバイオマーカーはいずれも異常値が観察されず、経口投与に各粒子の安全性が高いことが示唆された。次にナノ白金粒子の用量20mg/kgをBalb/cマウス(♂、8W)に投与し検討した。結果、上記のナノシリカと同様に異常値が観察されず、経口投与によるナノ白金粒子の安全性が高いことが示唆された。さらにナノクレイ粒子とナノ白金粒子を経口投与し、同時に上記の医薬品を腹腔投与して薬物相互作用を検討した結果、いずれも各バイオマーカーに異常値は観察されなかった。次に医薬品とナノクレイ粒子の薬物相互作用をマウスに尾静脈投与を行い検討した。結果、シスプラチンとナノクレイ粒子を投与するとALT値、AST値が大きく上昇し肝障害が観察された。次にマウスへ白金ナノ粒子を尾静脈投与し、同時にシスプラチン、四塩化炭素を腹腔投与し検討した。結果、医薬品と粒子径1nm白金ナノ粒子を投与するとALT値、AST値が大きく上昇し肝障害が観察された。以上のことより、ナノクレイ粒子とナノ白金粒子は投与経路により、肝障害の誘導および、薬物相互作用があることが示唆された。
|