2013 Fiscal Year Annual Research Report
Pseudomonas K-62の新規水銀耐性遺伝子の機能解析および浄化への利用
Project/Area Number |
24790128
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
曽根 有香 北里大学, 薬学部, 助教 (60550035)
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Keywords | 水銀耐性遺伝子 / Pseudomonas K-62 / 水銀浄化 |
Research Abstract |
水銀化合物は有用な化学的、物理的性質を有するために工業産物や医薬品、農薬などに利用されてきた。一方で、世界各地において水銀化合物による環境汚染が深刻な問題となっている。本研究では、酢酸フェニル水銀汚染土壌から単離された水銀耐性菌Pseudomonas K-62の中でも極めて強い水銀耐性能を有する68 kb plasmid (pMR68) に着目し、pMR68 上の新規の水銀耐性遺伝子を既知の水銀耐性遺伝子と比較検討することで詳細な機能解析を行い、有用遺伝子の水銀浄化技術への応用を目的とした。 既知の水銀耐性遺伝子と相同性の高いpMR68上のmer operon (merR-orf1-orf2-o/p-merT1-merP1-merF-merA-merB) をLong PCR法により増幅し、pUC118ベクターへの組換え及び大腸菌への形質転換を行い新規組換え株 (pMKY12) を作製した。作製した組換え体と既知のpMR26 由来のmer operon (merR-o/p-merT-merP-merA-merG-merB1) 組換え体であるpMRA114の無機水銀及び酢酸フェニル水銀に対する耐性及び代謝活性について比較検討を行った。その結果、対照株であるpUC118を持つ菌株に比べ、pMKY12及びpMRA114組換え株の無機水銀及び酢酸フェニル水銀に対する耐性および代謝活性が上昇した。また、pMKY12組換え株の無機水銀代謝活性はpMRA114組換え株に比べやや高い傾向を示し、pMKY12組換え株の酢酸フェニル水銀代謝活性はpMRA114組換え株に比べ有意に高くなった。以上より、pMR68の水銀耐性遺伝子群が高い無機水銀及び有機水銀代謝活性を有することを明らかにした。
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