2013 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞内におけるUGT分子種の発現量比変動時の抱合活性および基質特異性変動の評価
Project/Area Number |
24790139
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武隈 洋 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (00396293)
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Keywords | グルクロン酸抱合 / UGT / 薬物代謝 / 生細胞 |
Research Abstract |
生細胞内のUGT活性を評価する系として,LLC-PK1細胞にヒトUGT2B7遺伝子を導入して安定発現細胞を作製したが,UGT活性がMockの2倍程度にしか上昇しなかったため,LLC-PK1細胞そのものを評価系に用いた。種々条件を検討した結果,生細胞内のUGT代謝活性は,以下の条件で行った。7-HCをメディウムに添加後,氷上で2時間平衡化することで,細胞内の代謝および排出系が働かない状態で細胞内の基質濃度を上げ,その後37℃で代謝,排出系を機能させた。このとき,細胞内の代謝物(7-HCG)の蓄積はほとんどなく,細胞外の7-HCGを定量することで,生細胞のUGT活性を評価できることが明らかとなった。初期の細胞内7-HC存在量と細胞内容積から細胞内の初期濃度を算出し,代謝クリアランスを算出することでミクロソーム代謝系との比較を可能とした。また,排出蛋白質の阻害剤存在下で,同様に検討したところ,抱合体の総生成量が有意に低下したことから,抱合体によるUGTの阻害が生じていることが示された。 一方,UGT-UGT蛋白質間相互作用の影響を解明のためのツールとして,UGT活性のほとんどないHela細胞にUGT1A9を導入した安定細胞を作成した。この細胞にProteo tuner shield systemのpTUNER vectorを用いて,UGT2B4を導入しUGTの発現量を制御したときの活性を評価した。現在まで,UGT2B4発現量が少ない方が多い方よりもUGT1A9活性が高く,UGT2B4共存時にUGT1A9活性が低下することが示唆された。現在,安定発現系で再現性の確認およびモノマーやヘテロマーなど複合体形成の種類とその割合の評価を継続している。
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