2013 Fiscal Year Research-status Report
妊娠中のサプリメント摂取が妊娠経過、児の発育、母子の疾患発症へ与える影響の解明
Project/Area Number |
24790141
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 拓 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (80612019)
|
Keywords | 妊娠 / サプリメント / 小児 / コホート / 葉酸 |
Research Abstract |
本研究課題の基盤であるBOSHI研究において、妊娠中のサプリメント摂取状況の評価を行った。妊娠中に使用するサプリメントとしては、葉酸の割合が最も高値であるものの、全体における葉酸サプリメント摂取者の割合は半数未満(32-35%)であり、かつ妊娠初期から妊娠中期以降にかけてその使用者の割合の増加は小さかった(初期:32%⇒中期以降:35%)。本研究より、妊娠中の葉酸サプリメント摂取の状況は依然として不十分であり、より積極的な葉酸摂取の重要性に関する教育および情報提供の必要性を明らかにした。 もう一つの研究基盤である環境省「子どもとの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」においては、妊娠中の服薬と妊娠経過および児の奇形との関連を検討するための追加調査として、妊娠初期、妊娠中期、妊娠後期に使用した医薬品・サプリメントに関する薬剤詳細調査を実施している。平成26年2月12日現在で、9,027名の妊婦が宮城ユニットセンターを通してエコチル全体調査に参加している。本研究課題で実施している薬剤詳細調査は、宮城県内の13の産科医療機関において実施されており、6,069名に対して調査の説明が実施され、3,657名が同意している。現在、回収された調査票に基づいて、情報の電子化を進めている。 平成24年度に引き続き、平成25年度も、エコチル調査における妊娠中の医薬品・サプリメント使用状況に関する詳細調査を順調に拡大・継続した。現在、収集された情報の電子化、および妊娠経過・出生児の奇形の有無に関する情報の収集を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既にデータ固定を終えているBOSHI研究においては、妊婦のサプリメント摂取状況の評価を終え、予定通りに研究が進捗している。また、妊婦リクルートを進行中であったエコチル調査においては、宮城ユニットセンターにおけるエコチル全体調査および追加調査が、当初の予定よりも順調に進み、追加調査対象妊婦の数は当初の予定の約3,000名よりも多い3,500名以上に達している。回収された調査票のデータ化も順調に進み、本研究終了時には、本邦初の妊婦におけるサプリメント摂取の影響に関する薬剤疫学研究実施のためのコホートが構築されていることは明らかである。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は当初の計画よりも順調に進んでいるが、特にエコチル調査においては、今後の追跡調査のデータの精度も重要となるため、追跡率の維持等を含めた継続的なフォローが必要である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
想定よりも一人当たりのデータ数が少なく、データ入力費等がかからなかった。調査票の回収からデータ入力までの時間がかかり、入力費の発生がずれた。予想以上に問題なく進み、各地へのケアの必要性が小さく旅費が抑えられた。 引き続き、回収された質問票の整理のための消耗品費や、回収された質問票の整理および電子データ化のための謝金が必要である。また、対象妊婦の妊娠経過に関する妊婦健診の情報収集、および出生児に関する奇形情報等に関する分娩記録の収集のための交通費・謝金も引き続き必要である。また、対象者の追跡率維持のための謝金も検討する必要がある。
|
Research Products
(5 results)