2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24790162
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
辻 大樹 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (90565615)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | オーダーメード医療 / 薬理遺伝学 / 遺伝子多型 / 制吐療法 / 化学療法誘発性悪心・嘔吐 |
Research Abstract |
化学療法誘発性悪心・嘔吐は、患者にとって苦痛度が高くQOLを損なう大きな原因の一つである。本研究では嘔吐リスクの高いシスプラチンおよびAC療法が施行された固形悪性腫瘍患者を対象に、グラニセトロン + デキサメタゾン + アプレピタントによる標準的制吐療法の効果に影響することが考えられる遺伝子多型を解析する。また、プロスペクティブに嘔吐発現を中心とした有害反応に関するデータ集積を行い、遺伝子多型との関連を総合的に評価する。 初年度は、日本人健常者100名においてABCB1(1236C>T, 2677G>T/A, 3435C>T)、ABCG2(34G>A, 421C>A)、ABCC1(128G>C, 1299G>T, 2168G>A, 2012G>T)遺伝子多型解析を実施し解析系を確立した。また、標準的制吐療法が施行された悪性腫瘍患者82名を登録し、外来通院時に、血液試料の提供を受けている。これまで申請者らの研究でグラニセトロンの制吐効果との関連が示唆されているABCB1遺伝子多型を対象患者で解析した。次年度は、引き続き症例登録および患者検体の集積を行う。制吐療法の効果とABCトランスポーターの遺伝子多型の関連を解析し、制吐効果の予測マーカーとしての有用性を明らかにし、安全で効果的な制吐療法を実践するためのエビデンスを構築する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とする遺伝子多型の解析系を確立し、目標症例数200症例に対し、現在82例の症例を集積している。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引続き同様な研究体制で、文書によるインフォームド・コンセントを取得後、症例集積を継続し、治療経過を調査しするとともに血液検体の集積を行う。 遺伝子多型解析が終了次第、解析された遺伝子多型毎に患者群を分類し、嘔吐完全抑制割合と遺伝子多型との関連を評価を行い、嘔吐に関与する因子の検討など統計学的な検討を行い総合的に評価する。 症例集積が遅れ、目標症例数に達しない場合、これまでの共同研究の実績のある施設の協力を得て研究を継続することを検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|