2013 Fiscal Year Annual Research Report
血糖値認識能を有する次世代型インスリン投与システムの構築
Project/Area Number |
24790168
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
小野 哲也 奥羽大学, 薬学部, 助教 (70433555)
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Keywords | ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
前年度に引き続き、薬物の貯蔵および放出を自由に制御可能な機能性薄膜の作製について検討を行った。作製方法は、フェニルボロン酸を側鎖に有するピロールの誘導体を、薬物モデル化合物であるアスピリンの存在下、サイクリックボルタンメトリーを用いて電解重合する手法で行った。その結果、薄膜中へのアスピリンの取り込みや、グルコース濃度依存的な薄膜からのその放出の制御が困難であった。そこで、重合条件の最適化および薄膜上での機能性物質の挙動について再度検討を行った。 始めに、電解重合により作製した薄膜上での機能性物質の挙動について検討を行った。その結果、薄膜上に修飾したニトロキシルラジカル化合物によるアミン類の電解触媒酸化反応が可能であった(論文発表済)。この結果は、この手法で作製した薄膜上の機能性物質が幅広い適用性を維持したまま機能することを示すものである。 続いて、グラフェンを利用して電極の表面積を制御することを目的として、グラフェン修飾電極上での機能性薄膜作製についても検討を行った。グラフェンは、高い導電性を有する安価な炭素材料であり、次世代の電極材料としても期待されている素材である。その結果、薄膜上に固定化した機能性物質の電気化学的特性の向上は見られなかったものの、グラフェン固定化により、利用可能な電極表面積を増加させることが可能であった(学会発表済)。この手法の応用により、貯蔵する薬物量およびその放出量の制御がより効果的に行えるものと期待される。
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