2013 Fiscal Year Research-status Report
血漿中イソプレノイド高感度定量の開発と新規抗がん剤ターゲットとしての有用性
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24790175
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
中川 沙織 新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (30410228)
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Keywords | イソプレノイド / ビスホスホネート / がんバイオマーカー / LC-MS/MS / イソプレン / ザラコジン酸 |
Research Abstract |
イソプレノイドは細胞増殖に関係するタンパク質の修飾に関与しており、新しい抗がん剤のターゲットとして注目されている。ところが、これらイソプレノイドは血漿中にごく微量しか存在せず、血漿中濃度は殆ど明らかにされていない。本研究では、高感度測定が可能なLC-MS/MS法を用いて、これまでに明らかにされていなかった血漿中イソプレノイド濃度を明らかにし、がんバイオマーカーとしての可能性を探る。さらに、培養細胞系を用いて抗がん剤の評価に応用し、新規抗がん剤のターゲットとして提案するものである。 本年度は、昨年度に開発したヘッドスペースGC法を用いるDMAPP定量法を細胞培養系に応用した。ヒト肝がん由来HepG2細胞にFPP合成酵素阻害薬であるビスホスホネート薬を添加すると、濃度依存的にDMAPPの蓄積を確認することができ、パミドロネート、リセドロネートの順となり、エチドロネートおよびクロドロネートは検出限界以下であった。この結果は、昨年度のLC-MS/MS法を用いたIPPおよびDMAPP混合物の測定結果とほぼ同様であった。 また、イソプレノイド化合物に作用する物質として、コレステロール合成阻害作用をもつクロロゲン酸を評価したところ、FPPおよびGGPPの増加は認められなかったが、スクワレン合成阻害作用のあるザラコジン酸では、濃度依存的にFPPおよびGGPPの増加が認められた。 さらに、LC-MS/MS法を用いてヒト血漿中イソプレノイド化合物の定量法に応用したところ、IPPおよびDMAPP混合物、GPPおよびGGPPは検出限界以下であったが、FPPは定量可能であり、その血中濃度が約0.5 ng/mLであることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ヘッドスペースGC法を用いてDMAPPの定量法を確立し、ビスホスホネート薬に応用することができた。さらに、他の物質(ザラコジン酸およびクロロゲン酸)も評価し、イソプレノイド化合物に対する作用が明らかとなった。また、昨年度検討したLC-MS/MS法をヒト血漿中イソプレノイド化合物の定量にも応用でき、全体的な達成度は順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
継続して健常人の20~70歳の検体を測定することで、年齢差、性差を比較し基準値を求めるとともに、がんのなかでもまず、肺がんに焦点をあてて、肺がん患者の血漿中イソプレノイド化合物の定量を行い、健常人と比較しがんバイオマーカーとしての有用性を検討する。 また、確立したイソプレノイド定量法 (LC-MS/MS法およびヘッドスペースGC法) を用いて、培養細胞を用いた評価系に応用し、その他の評価物質であるスタチン系薬剤6種(フルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチンおよびピタバスタチン)、コレステロール合成阻害作用を持つポリフェノール(特に代表的な茶由来カテキン、エピガロカテキン、柑橘由来のヘスペレチン、大豆由来のダイゼインなど)およびビスホスホネート製剤の類似構造物について、それぞれの阻害作用を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2月3日より産前産後休暇を取得しているため、次年度に406459円を繰り越すこととなった。 この予算は、次年度において、細胞培養用品、試薬、血漿検体測定の前処理用品などの購入に充てる。
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Research Products
(4 results)