2013 Fiscal Year Research-status Report
長期中心静脈栄養による消化管萎縮時の薬物動態学的アセスメント
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24790178
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
福島 恵造 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (30454474)
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Keywords | 消化管萎縮 / TPN / 薬物動態 / バンコマイシン / P糖タンパク / 薬物代謝酵素 |
Research Abstract |
24年度の研究目的: 『消化管萎縮時の薬物体内動態変動のメカニズム解明および臨床的意義を評価する為に、特異的基質を用いた詳細な評価検討ならびに臨床使用が想定される薬物について基礎的検討を行う』であり、前年度の研究成果を踏まえて、実施計画のうち以下の項目に注力した。①抗癌剤および抗菌薬の消化管萎縮時の薬物動態検討、②特異的基質(rhodamine 123, midazolamなど)を用いたin vivo実験、③各種トランスポーターまたは代謝酵素のWestern blotによる発現量の測定。 当該年度の研究成果: ①に関して、消化管萎縮を背景とする致死的全身感染症であるbacterial translocationの治療法としての多剤併用療法selective digestive decontamination (SDD:選択的腸管内除菌)で用いられる非吸収性抗菌薬バンコマイシンの消化管萎縮時の消化管透過性に関して検討した。結果として、消化管萎縮時では健常人に対して透過率が約3倍に上昇しており、本結果を、第134回 日本薬学会年回(熊本)にて発表した。②に関して、P糖タンパクおよび薬物代謝酵素CYPの特異的基質としてrhodamine 123およびmidazolamを用いたin vivo実験を行っており、概ね良好な結果が得られている。③P糖タンパクおよび薬物代謝酵素CYPの肝臓および小腸での発現量をWestern Blotで定量した結果、CYPに関して、小腸では大差ないが肝臓中において著しい発現量の低下が確認された。P糖タンパクに関しては、2次抗体の濃度が薄く検出下限となっており、現在代替品を模索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
midazolamを用いたin vivo実験に関して、動物モデルの作製が一時困難となりデータ取集に遅延が見られている。 P糖タンパクのWestern Blot法による発現量件に関して、当初予定していた2次抗体(試薬)が製造中止となっており、代替品で行ったが感度不足により定量が行えていない。現在別の代替品を模索中である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに行う予定である。 実施計画の「消化管萎縮抑制療法の薬物治療への有用性を評価」に関しては、脂肪乳剤併用TPN施行時の有用性を評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
端数として生じた。 次年度の消耗品費に繰越金として組み込む。
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Research Products
(3 results)