2012 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病免疫療法における脳血管有害作用の成因となる血管過剰増生機序
Project/Area Number |
24790181
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 拓也 福岡大学, 薬学部, 助教 (90509647)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血液脳関門 / アルツハイマー病 / tight junction |
Research Abstract |
本研究は、AβとCD36の結合に着目し血液脳関門(Blood Brain Barrier; BBB)透過性亢進の要因となる血管過剰増生機序を解明することを目的とした。そこで、本実験に適した細胞株を選別するため、数種類の血管内皮細胞株におけるBBB透過性、tight junction蛋白・CD36発現量などの解析を行った。マウス脳血管内皮細胞株であるMBEC4, bEND.3, bEND.5 cellにおける検討では、bEND.3cellは他の細胞株と比べ、細胞間隙を透過する特性を有するsodium fluoresceinの低い透過性を示した。さらに、bEND.3cellは、他の細胞株と比べ、tight junction蛋白である ZO-1、occludin、claudin-5を高発現しており、特にBBB透過性に深く関わるclaudin-5は著しく高発現していた。また、bEND.3cellに発現しているtight junction蛋白は、細胞膜側に局在していた。これらの結果から、BBB透過性に関して、強固なBBB機能を有するbEND.3cellが有用な細胞株であることが明らかとなった。一方、Aβの細胞内取り込み能は、MBEC4cellが有意に強く、MBEC4cellはAβと強い相互作用を有することが示唆された。しかし、MBEC4cellならびにbEND.3cellにおいてCD36の発現は検出されなかった。以上の結果から、bEND.3cellへの薬剤による刺激、CD36配列を有するプラスミドの導入によるCD36発現bEND.3cellの確立が、本研究の発展に有用であることが期待される。
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