2013 Fiscal Year Annual Research Report
転写調節因子Id2による消化管上皮細胞の発生分化制御機構
Project/Area Number |
24790194
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
森 健太郎 福井大学, 医学部, 助教 (50397296)
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Keywords | 消化管 / 上皮細胞 / 転写因子 / Id2 / Irx3 / Irx5 |
Research Abstract |
昨年に引き続き本年度は以下の研究を実施した。 (計画1)昨年度に作出したVillin遺伝子プロモーター制御下でIrx3を発現するトランスジェニックマウス(vil-Irx3Tg)の解析を行った。作出された6系統のうち、胎生期の小腸でIrx3の発現が認められる個体を2系統同定し、そのうちの1系統が小腸上皮が形成される以前の胎生13日においてIrx3が小腸で発現することを確認した。vil-Irx3Tgマウスは以前作出したvil-Irx5Tgマウスと同様に小腸腺腫を発症することを見いだした。現在、形成された腫瘍について詳細な組織学的解析を行っている。Irx3とIrx5は細胞分化過程で協調的に機能するという報告がなされたことから、これまでに作出したトランスジェニックマウスを用い、胎生期消化管においてIrx3とIrx5を同時に発現するダブルトランスジェニックマウス(vil-Irx3/5Tg)を作出した。vil-Irx3/5Tgマウスはメンデル比に従い出生することを確認したが、同腹子のvil-Irx3Tgおよびvil-Irx5Tgと比して成長遅滞がみられた。また、胎仔消化管においてIrx3およびIrx5により転写調節を受ける因子を同定する目的で、vil-Irx3/5Tgマウス胎仔小腸についてDNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った、現在、同定された複数の因子について、消化管上皮細胞の増殖・分化における機能を検討している。 (計画2) Id2によるIrx3とIrx5の転写調節領域の検討を、昨年に引き続き行った。Irx5の胎仔消化管における転写調節領域の同定と平行し、Irx5の転写に必要な最小プロモーター領域を決定する目的でレポーターアッセイを行った結果、転写開始点より上流1.7kbまでの領域が転写に重要であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)