2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト胎児の三次元イメージングおよびDNA解析を用いた先天異常の原因と予防法の探索
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24790195
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 重人 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80432384)
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Keywords | ヒト胚子 / 画像診断 |
Research Abstract |
平成25年度は、位相コントラストX線CTを中心として撮像を行い、一次データの取得に努めた。共同研究先の高エネルギー加速器研究機構内の位相コントラストX線CT撮像装置にて、計46サンプルの撮像に成功した。平成24年度は34サンプル撮像しており、目標の100例に大きく近づいた。画像については、まず、解析しやすい腹部内臓(肝臓)から行っており、以前に作成したMRI画像データベースから抽出した異常疑い症例に注目して位相コントラストX線CT撮像を行った結果、外見正常と思われる症例の中にも一定程度の異常症例が含まれることが明らかとなった。また、正常の肝臓サイズについても詳細な計測を行っており、その結果については論文投稿中である。 また、平成25年度には、胎児期標本のMRI撮像も試みている。通常のMRIについては以前にも撮像しているが、今回は、拡散テンソルイメージングの可能性を追求するために試験的な撮像を行った。脳標本等での撮像は世界的にも行われているが、胎児標本そのものを用いての撮像はほとんど行われていない。研究代表者は大量の胎児標本を所有していることから、胎児標本からの撮像が行われれば、解析が一段と進むことが予想される。ホルマリン浸漬標本でのMRI撮像は、水分子の量の関係から良好なT2信号が得られないのだが、PBS置換を行うことにより、T2信号が大きく改善した画像を取得することができたため、次年度に拡散画像の取得の可能性について検討することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
位相コントラストX線CTの撮像については順調に進んでおり、画像を用いた解析も順調である。また申請書の時点では可能性もあまり考えていなかった胎児期MRI撮像についても、その可能性が見えてきており、中枢神経系の正常発生および異常、発達の解析をも見据えた発展的な研究へと進みつつあると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
胚子期標本については、位相コントラストX線CTによる撮像と、その画像解析を進める。内臓だけでなく、頭部・神経系にも着目して解析の幅を広げる。 平成25年度から本格化した胎児期MRI撮像について、拡散テンソル画像の取得の可能性につき、検討を行う。撮像条件の改善を行い、さらに小標本へと研究を展開させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各種経費の節約につとめた結果、未使用額が発生した。また、予定していた印刷費等が次年度となったため。 引き続き撮像に必要な消耗品を購入する他、研究成果発表費用に充当する予定である。
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Research Products
(18 results)