2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハンチントン病関連蛋白質封入体は細胞分裂や細胞ストレス制御に関わる新規構造か?
Project/Area Number |
24790196
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤永 竜太郎 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30335723)
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Keywords | HAP1 / stigmoid body / ストレス / 細胞分裂 / ハンチントン病 / アポトーシス / プロテアソーム |
Research Abstract |
GFP-HAP1をトランスフェクションしたマウス由来視床下部不死化細胞に対してストレス処理を行い、GFP-HAP1の発現形態を蛍光顕微鏡下で観察した。熱ショック、小胞体ストレス、血清飢餓では、GFP-HAP1は通常培養と同様に細胞質内にstigmoid bodyを形成し顕著な形態変化は観察されなかった。また、GFP-HAP1の過剰発現は熱ショックによるHsp70の誘導や小胞体ストレスによるCHOPの誘導に影響を与えなかった。一方で、プロテアソーム阻害は、GFP-HAP1発現形態をstigmoid bodyから顆粒網状形態に変化させた。さらに、GFPタグを除いたHAP1をトランスフェクションした細胞や内因性HAP1を発現する細胞を用いても同様の影響が確認され、HAP1分子の特性であることが明らかになった。そこで、プロテアソーム阻害剤の影響をさらに調べるとチューブリンのアセチル化の亢進が認められた。HAP1をトランスフェクションした細胞をHDAC阻害剤で処理するとGFP-HAP1発現形態がstigmoid bodyから顆粒網状形態に変化したことから、少なくともチューブリンのアセチル化とHAP1発現形態変化には関連があることが強く示唆された。現在、プロテアソーム阻害がHAP1発現形態を変化させるメカニズムを解明するために、特にHAP1と微小管モーター分子との相互作用を中心に解析中である。プロテアソーム阻害剤はアポトーシスを誘導することが知られている。本研究で使用している視床下部不死化細胞でも同様の効果が見られるか調べたところ、阻害剤の濃度と処理時間依存的にcleaved caspase-3とcleaved PARPの蓄積が観察されアポトーシスが引き起こされていることが分かった。HAP1がアポトーシス誘導にどのように関与しているか解析中である。
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