2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24790200
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
北沢 祐介 獨協医科大学, 医学部, 助教 (00467581)
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Keywords | 制御性T細胞 / ethynyl deoxyuridine / 細胞増殖 / 移植免疫応答 / ドナー特異的輸血 / フェノタイプ解析 / 多重免疫染色 / 細胞相互作用 |
Research Abstract |
最終年度においては、Treg細胞増殖応答を誘導する輸血血液成分のうちドナーT細胞が最も効率的であることを証明した。また、DST効果の一つである抗ドナー抗体産生応答の誘導も同様の結果であった(投稿準備中)。Treg誘導のメカニズムについては、ドナーT細胞を移入したホスト脾臓をドナーI型MHC抗体(MN)もしくはCD4,ホストII型MHC(OX3),FoxP3,IV型collagenによる3重~4重染色法を用いて形態学的解析を行い検討した。その結果、移入1日目にはドナーT(MN陽性)細胞が脾臓PALS内に集積、2日目にドナーT細胞の断片がPALS内のホストDC(OX3陽性)に貪食され、3日目にはDCに隣接したホストT細胞(Treg細胞を含む)の増殖応答が確認された。さらにケモカイン阻害剤の百日咳ワクチン処理により、PALS内への遊走を一時的に阻害したドナーT細胞の移入実験では、阻害作用が有効な時間だけ増殖応答が遅れた。よって、DSTによるTreg細胞増殖応答の誘導メカニズムは、ドナーT細胞が血行性に脾臓に遊走し、ケモカインによりPALS内に引き寄せられ、ホストDCに会合したあと貪食されてドナーMHCを提供することが明らかになってきた。今後は、このTreg細胞がどのTreg細胞亜群(nTreg,iTreg他)に属するかを白血球混合培養試験や特異的なタンパク物質の発現を解析して明らかにしたい。本研究は、初めてDST効果の全貌を明らかにし、臨床応用としてドナーT細胞によりTreg細胞応答や抗体産生を誘導するワクチン開発に重要であると考えられる。
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