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2012 Fiscal Year Research-status Report

eEF1BδLによるポリグルタミン蛋白質凝集の制御

Research Project

Project/Area Number 24790217
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

貝塚 拓  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (00435926)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsポリグルタミン病 / 選択的スプライシング / 熱ストレス応答
Research Abstract

本研究ではeEF1BδLの選択的スプライシングの制御機構とポリグルタミン病での役割を明らかにすることを目的として研究を遂行している。平成24年度では申請書の「研究計画」に示したものを含む以下4つの項目でそれぞれ実績を得ている。
1 スプライシング調節因子の同定:eEF1Bδ遺伝子のエクソンスキッピングが起こるゲノム領域のクローニングが完了した。今後はスプライシング調節因子結合配列の変異体を作成し、培養細胞に発現させRT-PCR法によりスプライシングの変化を解析する。またFox、Nova、Mbnl1などのスプライシング調節因子のクローニングも完了した。
2 前脳特異的eEF1BδL欠損マウス:当施設にてCaMKII-Creとの交配により作成している。今年度にホモ個体を作成し脳内遺伝子変動をマイクロアレイにより解析する。またCAG-Creとの交配により全身の欠損マウスも作成し、そのホモ個体は正常に生まれることがわかった。このことはeEF1BδLは胎仔の発達段階にはさほど関与せず成熟した個体において機能している可能性を示唆している。
3 ポリグルタミン蛋白質凝集:82Q-GFPプラスミドの構築が完了しており、今後は培養細胞にてポリグルタミン蛋白質凝集によるスプライシング変化を解析する。さらに研究の過程で熱ストレスに応答してeEF1BδLと結合する蛋白質を見いだした。ヒストン修飾に関与する核内蛋白質でeEF1BδLと同様に脳に高発現していた。eEF1BδLと協同してシャペロン蛋白質の転写を制御する可能性があり非常に興味深い。
4 eEF1BδLのリン酸化修飾:研究計画には記してないが、研究の過程でeEF1BδLは熱ストレスに応答した脱リン酸化によりその転写活性が制御されることを見いだした。本知見はeEF1BδLを標的とした化合物の開発にも繋がる可能性があり重要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

スプライシング調節因子の同定に用いるeEF1Bδ遺伝子のゲノム領域のクローニングは順調に完了し、現時点でスプライシング調節因子結合配列の変異体も複数種類完成している。今年度には培養細胞に導入し、どの結合配列がエクソンスキッピングに重要かを解析できる。また、前脳特異的eEF1BδL欠損マウスのホモ個体も今年度に得られ、脳内遺伝子変動を解析する予定である。ポリグルタミン蛋白質凝集に関する研究では82Q-GFPプラスミドが完成しており、今年度にeEF1Bδ遺伝子のスプライシング変化や欠損マウス神経細胞における細胞死の解析ができる。さらに平成24年度では、eEF1BδLの結合蛋白質や脱リン酸化による転写活性制御など新たな知見も得られた。以上のことより、現在までの達成度は当初の計画以上に進展していると評価する。

Strategy for Future Research Activity

今後も申請書の「研究目的」に示す通り、eEF1Bδ遺伝子のスプライシング調節因子を同定すること、またポリグルタミン蛋白質凝集への応答の解析および遺伝子改変マウスを用いてeEF1BδLとポリグルタミン病との関わりを明らかにすることを目的として研究を遂行する。さらに平成24年度に新たに得られた知見から以下の2項目についても解析を行なう。
1 eEF1BδL結合蛋白質によるシャペロン蛋白質発現制御機構の解明
研究の過程で熱ストレスに応答してeEF1BδLと結合する蛋白質を発見しており、ヒストン修飾に関与する核内蛋白質であることがわかっている。概して遺伝子の転写には転写伸長因子、コアクチベーターやヒストン修飾酵素など多くの蛋白質が関与している。eEF1BδLによるシャペロン蛋白質の転写制御にどのような核内蛋白質が協同的に働くかを明らかにすることは熱ストレス応答機構の解明の点からも非常に重要である。今後は培養細胞にてeEF1BδL結合蛋白質のノックダウンを行ない、シャペロン蛋白質の発現が変動するか否か解析する。
2 eEF1BδLのリン酸化・脱リン酸化による活性制御機構の解明
研究の過程でeEF1BδLは熱ストレスに応答した脱リン酸化によりその転写活性が制御されることを発見した。今後はeEF1BδLのリン酸化酵素および脱リン酸化酵素を免疫沈降法などにより同定する。本研究はeEF1BδLを標的とした化合物の開発にも繋がる可能性があり重要である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Induction of autophagic cell death of glioma-initiating cells by cell-penetrating D-isomer peptides consisting of Pas and the p53 C-terminus.2012

    • Author(s)
      Ueda, Yutaka
    • Journal Title

      Biomaterials

      Volume: 33 Pages: 9061-9069

    • DOI

      10.1016/j.biomaterials.2012.09.003

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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