2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答の性差を作るエピジェノミクス-視床下部CRFニューロンに着目して-
Project/Area Number |
24790241
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
肥後 心平 日本医科大学, 医学部, 助教 (50623922)
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Keywords | CRF / stress / epigenomic / sex difference |
Research Abstract |
ストレスに対する応答には雌雄差が有ることが知られている。本研究では、主なストレス応答系である視床下部-下垂体-副腎軸のうち、最上流であると考えられる視床下部CRFニューロンの性差に着目した。視床下部室傍核のCRF発現上昇における性差の形成機構を探索するため、CRF遺伝子プロモーター領域のエピジェネティックな発現調節機構を調査した。実験に使用する手技(免疫組織化学染色、メチル化解析、ChIPアッセイ等)に関しては条件検討が終わり、一部を論文とした。 (1)非ストレス下におけるオスラットおよび性周期の異なるメスラット(発情前期および発情間期)の視床下部室傍核におけるCRF発現を解析したところ、雌雄間、各性周期ステージ間の差は見られなかったが、四時間の拘束ストレス負荷による発現上昇率はメスが高い傾向にあった。 (2)上記と同じ実験群から採取した室傍核の細胞由来DNAを試料として用い、CRFプロモーターのDNAメチル化解析を行った。長期的なストレス負荷実験ではCRFプロモーターのメチル化に変化が生じることが報告されているが、非ストレス下におけるCRFプロモーター部位のメチル化には雌雄間、各性周期ステージ間の差は見られなかった。とくに、CRFの発現調節に重要な役割を果たすと考えられているCRFプロモーター中のCRE配列においても差が見られなかった。一方でChIPアッセイによる解析では拘束ストレス負荷時のヒストンアセチル化の変化率がメスで大きい傾向が見られた。CRF発現の性差はDNAメチル化ではなく、ヒストン修飾を介した機構であることが示唆された。上記をまとめ論文とする予定である。 今後の課題として、ヒストン修飾の性差が性ステロイド環境により変化しうるのか、またヒストン修飾酵素の発現率やプロモーター領域にどのような性差があるかを検討する必要があると考える。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Direct and specific effect of sevoflurane anesthesia on rat Per2 expression in the suprachiasmatic nucleus.2013
Author(s)
Anzai M, Iijima N, Higo S, Takumi K, Matsuo I, Mori K, Ohe Y, Kadota K, Akimoto T, Sakamoto A, Ozawa H.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8(3)
Pages: e59454
DOI
Peer Reviewed
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