2013 Fiscal Year Annual Research Report
HGFーβ鎖によるマクロファージ貪食促進作用の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24790250
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
大西 浩之 金城学院大学, 薬学部, 助教 (90523316)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / マンノース受容体 / マクロファージ / 貪食作用 |
Research Abstract |
肝細胞増殖因子(HGF)のプロテアーゼ消化で生じるHGFβ鎖(HGF-β)は、マクロファージ(Mφ)に発現するマンノース受容体(MR)を受容体とし、アポトーシスに陥った好中球の貪食を高めることが明らかとなった(前年度)。今年度は以下の解析を行い、貪食促進作用の分子メカニズム解明を進めた。 1. HGF-βがMRを介して貪食を促進するメカニズム:貪食作用はアクチンの再構成を伴う細胞膜の動的変化である。HGF-β刺激を行ったMφではMRとF-アクチンの共局在が観察され、HGF-βによる貪食促進作用のメカニズムをアクチン再構成で説明できる可能性が生じた。そして、HGF-β刺激によってMRへとリクルートされる細胞膜・細胞内分子についても検討を進め、MRがアクチン関連分子であるIQGAP1と相互作用しているという結果を得た。以上の結果から現在、HGF-β刺激によってIQGAP1を介したアクチンの再構成が起こることを想定している。今後、IQGAP1が貪食促進の責任分子かどうかについての検討が必要であるが、本研究でIQGAP1の関与を示せたことは非常に有益であった。 2. HGF-βがMφの表現型に及ぼす影響:MΦにHGF-β刺激をすることで、補体受容体構成分子であるCD11bのタンパク発現が増加することが判明した。現在、HGF-βが補体受容体を介した貪食機能を促進させるかどうか、解析を進めている。 今回の結果から、HGF-βがMRを介して貪食作用を促進する分子メカニズムとして、(1)IQGAP1を介したアクチン再構成の可能性、(2)Mφにおける補体受容体の発現増加、を明らかにすることができた。
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