2012 Fiscal Year Research-status Report
APPのリン酸化制御―副作用の少ない新しいアルツハイマー病治療薬を目指して―
Project/Area Number |
24790260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
浅井 将 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90383223)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / キナーゼ / ホスファターゼ / リン酸化 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の原因物質として考えられているアミロイドβペプチド(Aβ)に対して、その前駆体タンパク質であるAPPのリン酸化と脱リン酸化を制御することによってAβの産生量を低下させ、産生酵素であるβおよびγセクレターゼの他の基質を阻害しない副作用の少ない新しいアルツハイマー病治療薬を目指し、株化細胞とiPS細胞を用いて検討した。 ・APPの主要なリン酸化キナーゼと脱リン酸化ホスファターゼの同定 これまでの研究から、APPに対する主要なキナーゼは、CDK5(cyclin-dependent kinase 5)やJNK(c-Jun N-terminal kinase)、GSK-3β(glycogen synthase kinase 3β)、DYRK1A(dual-specificity tyrosine phosphorylation-regulated kinase 1A)などが候補に挙げられている。ダウン症患者がアルツハイマー病を発症しやすいことなどから、21番染色体に存在するキナーゼやホスファターゼ、またはそれらの制御分子に着目した。 培養細胞に着目した分子を過剰発現させ、APPのリン酸化を特異的抗体によって検出した。ホスファターゼの内因性調節分子の過剰に発現させるとAPPのリン酸化が亢進されている結果を得ることができた。 ・ヒトiPS細胞に対する神経細胞への分化方法の開発 これまでの研究でヒトiPS細胞を分化させた神経細胞において、Aβを測定する系を確立しているが、さらにこの測定系を改良するために、ヒトiPS細胞を培養して神経細胞へ分化することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iPS細胞から神経細胞への分化方法が予定通りに進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
・APPのリン酸化と脱リン酸化の時間的・空間的影響の解明 APPとセクレターゼの局在が重要視されている。APPのリン酸化によってAPPの細胞内局在が変わり、それに伴ってγセクレターゼ活性が変化する可能性も否定できない。そこで、キナーゼ阻害剤またはホスファターゼ阻害剤処理におけるAPPの細胞内局在を免疫染色法で確認する。局在に著しい変化が見られない場合は、野生型APP、恒常的非リン酸化APP(668番目のアミノ酸残基ThrをAlaに置換)、恒常的リン酸化APP(同ThrをAspに置換)を過剰発現する細胞から膜画分を調整し、cell-free assayでγセクレターゼ活性を直接的に測定する。内在性の野生型APPが結果に影響を大きく及ぼす場合、APP遺伝子欠損マウス由来の胎児線維芽細胞を使用する。 ・同定したキナーゼまたはホファターゼの阻害剤処理時のAβ量の測定 引き続き、責任キナーゼとホスファターゼのスクリーニングを行う。その後、同定したキナーゼやホスファターゼの阻害剤を用いて、ヒトiPS細胞を分化させた神経細胞におけるAβ量を測定する。この結果を基に、ヒトの神経細胞における有効性を評価すると同時に、用量反応曲線を描き、アルツハイマー病モデルマウスへの投与量を考察する。また、これまでと同様に、APPのリン酸化をimmunoblot法で定量し、Aβ量との相関を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大型の機器は揃っているので、研究費のほとんどを消耗品に使用する。 学会参加費として旅費を計上している。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Global and effective gene delivery of neprilysin to the brain via intravascular administration of AAV vector in Alzheimer's disease mice2013
Author(s)
Iwata, N., Sekiguchi, M., Hattori, Y., Takahashi, A., Asai, M., Ji, B., Higuchi, M., Staufenbiel, M., Muramatsu, S., Saido, T.C.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 3
Pages: 1472
DOI
Peer Reviewed
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