2013 Fiscal Year Annual Research Report
臓器特異的遺伝子改変マウスを用いたビタミンKの加齢性疾患に対する作用の解析
Project/Area Number |
24790273
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (30401110)
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Keywords | ビタミンK / 老化 / 遺伝子 / 蛋白質 |
Research Abstract |
平成25年度には、Col1-Creマウスを用いたGGCXの骨芽細胞特異的欠損マウスの作成および卵巣摘出の影響の評価、骨芽細胞におけるSXR応答性long-noncoding RNAの同定、神経細胞におけるγカルボキシル化を受ける蛋白の同定を行った。 以前に骨芽細胞特異的GGCX欠損マウスを解析した際に、GGCX欠損マウスにおいて骨密度および骨強度の上昇を認め、ビタミンKの骨保護作用とは合致しない結果を得た。より加齢に伴う骨粗鬆症に近い状態で解析するため、今回は骨芽細胞特異的GGCX欠損マウスに卵巣摘出を施し、低エストロゲン状態での評価を行った。しかし、コントロール群と比べ骨密度に差が生じず、骨芽細胞におけるGGCXを介するビタミンKの作用は、ビタミンKの骨保護効果に寄与していないことが推測された。 ビタミンKはGGCXだけではなく、核内受容体SXRを介する作用も知られおり、全身においてヒトSXRのマウスにおける相同遺伝子であるPXRを欠損するマウスは骨粗鬆症を呈することを我々は以前に示している。今回、骨芽細胞由来の細胞株MG63にSXRを過剰発現させ、SXRのリガンドで刺激することにより、骨芽細胞におけるSXR応答性の転写産物を次世代シークエンサーを用いて網羅的に解析した。この結果、SXR応答性の新規long non-coding RNAを2種類同定することができ、骨組織におけるビタミンKの作用がこれらのlong non-coding RNAに担われている可能性が示唆された。 昨年度、ヒト神経芽細胞腫由来のSH-SY5Y細胞を用いて、神経細胞におけるGGCX結合蛋白の精製を試みていたが、質量分析の結果、5種類の蛋白を同定することができ、それらの蛋白がGGCXによる修飾を受けるアミノ酸を有することも示唆された。これらの蛋白の生理的意義についての解析は今後の課題である。
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[Journal Article] Liver-specific γ-glutamyl carboxylase-1 deficient mice display bleeding diathesis and short life span.2014
Author(s)
Azuma K, Tsukui T, Ikeda K, Shiba S, Nakagawa K, Okano T, Urano T, Horie-Inoue K, Ouchi Y, Ikawa M, Inoue S
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 9
Pages: e88643
DOI
Peer Reviewed
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