2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24790278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 淳 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30511894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リン脂質 / スクランブル活性 / クロライドチャネル / phosphatidylserine / phosphatidylcholine / galactosylceramide |
Research Abstract |
10種類のメンバーによって構成されるTMEM16 familyの機能を解析を行った。具体的には、TMEM16A,16Bにおいて報告されているカルシウム依存的なクロライドチャネル活性化が全てのメンバーにおいて保存されているのか、また我々がTMEM16Fにおいて見出したカルシウム依存的なリン脂質スクランブル活性が全てのメンバーに保存されているのかを調べた。HEK293T細胞にTMEM16 familyを過剰発現させ、パッチクランプ法により電流を調べたところ、TMEM16A,16Bに強いクロライドチャネル活性を確認したが、他のメンバーには認められなかった。一方、リン脂質のスクランブル活性を完全に消失したTMEM16F欠損細胞にTMEM16 familyを過剰発現させ、リン脂質のスクランブル活性をFACSを用いて調べたところ、TMEM16C,16D,16F,16G,16Jにリン脂質スクランブル活性を確認したが、クロライドチャネルであるTMEM16A,16Bにその活性は認められなかった。以上よりTMEM16 familyメンバーのリン脂質スクランブルは、クロライドチャネル活性とは関係なく発揮されると結論付けた。我々は、TMEM16Fが血液凝固に異常をきたすScott症候群の原因遺伝子であることを見出しているが、最近、TMEM16CがCraniocervical Dystoniaの原因遺伝子であることが報告された。TMEM16Fはほとんど全ての組織に発現しているが、TMEM16Cは脳にしか発現していない。以上の結果は、リン脂質のスクランブル活性が血液系の細胞だけではなく、神経系の細胞の機能においても重要であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TMEM16 familyのクロライドチャネル活性、リン脂質スクランブル活性において、その全体像が把握できた。
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Strategy for Future Research Activity |
TMEM16 familyのクロライドチャネル活性、リン脂質スクランブル活性についてその全体像が把握できた。今後はそれらの情報をもとに、クロライドイオンを通すファミリーに共通のモチーフ、脂質を動かすのに共通なモチーフを絞り込み、どのような機構でイオン、脂質のそれぞれを動かしているのかを明らかにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請書に記載の通り、細胞関連試薬、FACS関連試薬、細胞染色関連試薬、ウイルス関連試薬、遺伝子導入関連試薬に研究費を使用予定である。
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Research Products
(4 results)