2013 Fiscal Year Annual Research Report
高次生命機能システムを支えるエキソサイトーシスのしくみ
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24790285
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂根 亜由子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60509777)
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Keywords | 高次生命機能システム / エキソサイトーシス / 細胞間接着形成 / 神経突起伸長・シナプス形成 / Rabファミリー低分子量G蛋白質 |
Research Abstract |
高次生命機能システムの獲得や発現・維持は、細胞外の環境に応じて細胞同士が情報交換し、個々の細胞機能が系全体として統括されることによって成立する。細胞内小胞輸送の主要経路であるエキソサイトーシスは、その統括機構の本体として重要な役割を担っていると考えられる。本研究は、器官形成時の細胞間接着形成および神経発生・再生時の神経突起伸長・シナプス形成に注目し、高次生命機能システムの獲得および発現・維持におけるエキソサイトーシスの制御機構を明らかにすることを目的としている。これまでにRab13とJRABが接着分子の細胞膜への輸送を制御することを見出していたが、本研究では、Rab13との結合に依存したJRABの構造変化が細胞間接着形成に先立つ、または伴うダイナミックなアクチン細胞骨格の再編成と細胞間接着が構築された後の安定的なアクチン細胞骨格の制御の精巧な調節に関与することを示してきた。さらに、本年度の本研究では、アクチン結合蛋白質であるFilaminを新たなJRAB結合蛋白質として同定し、JRABがその構造依存的にFilaminとの相互作用を変化させながらNIH3T3線維芽細胞におけるアクチン細胞骨格の再編成を制御していることを明らかにした。本研究の成果から、現段階では、接着分子を運んできたRab13との結合に依存したJRABの構造変化、および、それに伴ったFilaminをはじめとするアクチン細胞骨格に関連する分子群との多彩な相互作用が細胞間接着形成過程に認められる小胞輸送とアクチン細胞骨格の再編成のクロストークを可能にすると予想している。さらに、本研究ではRab13とJRABの各ノックアウトマウスを作製しており、現在、これらのマウスを用いて、特に、神経発生・再生時の神経突起伸長・シナプス形成におけるRab13-JRAB系の役割について組織学的および行動学解析を行っている。
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Research Products
(2 results)