2013 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスレセプターの発現と機能を制御するアダプター分子の機能解析
Project/Area Number |
24790293
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
平野 真 成蹊大学, 理工学部, 助教 (60514172)
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Keywords | 細胞内輸送 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
腎臓におけるタンパク質の再吸収は、エンドサイトーシス受容体であるメガリンを中心分子として制御されている。メガリンによるエンドサイトーシスには、メガリンの細胞質領域で相互作用するアダプター分子が必須である。本研究では、メガリンによるエンドサイトーシスの制御に必要な細胞質におけるタンパク質相互作用に着目し、新規に4種類のアダプター分子の候補 (A, L, N, S) を同定した。前年度までに、ブタ近位尿細管上皮細胞LLC-PK1細胞を用いた強制発現系において、共免疫沈降法によりメガリンとアダプター分子候補LおよびSがメガリンと相互作用することを示し、密度勾配遠心分離によりLは初期エンドソーム、Sはリサイクリングエンドソームの含まれる画分に濃縮されることを示した。 本年度は、メガリンとアダプター分子複合体の細胞内局在を検証するため、メガリンとアダプター分子の共発現細胞にて、分子間相互作用を可視化することができるin situ proximity ligation assayを行い、Lはアピカル膜と初期エンドソームにて、Sはアピカル膜とリサイクリングエンドソームにてメガリンと複合体を形成することを明らかにした。さらに、Lもしくは、Sを強制発現させたLLC-PK1細胞において、メガリンのリガンドであるレチノール結合タンパク質 (RBP) の細胞内への取込みを調べた。その結果、Mockに比べ、Lでは約3倍、Sでは約5倍RBPの取込み量が増加することが明らかとなった。 以上の結果から、Lはメガリンのアピカル膜から初期エンドソームへの輸送に関与してリガンド取込みの速度を調節し、Sはメガリンのリサイクリングエンドソームからアピカル膜へのリサイクルを増加させ、結果としてリガンドの取込みを増幅させる可能性が見出された。
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