2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングを用いた細胞接着分子CADM1のがん化における役割の解析
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24790310
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 美佳 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (80508359)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん / CADM1 / ATL / 細胞浸潤 / 多光子励起顕微鏡 / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、ATL関連細胞株(MT-2)を免疫不全NOGマウスの尾静脈に投与し、ヒトATLの特徴である多臓器浸潤を示すマウスモデルを構築した。さらに、CADM1 の発現をshRNAにより恒常的に抑制し、かつGFPを発現するMT-2/shCADM1/GFP細胞株ををNOGマウスの尾静脈に投与し約25日後に多臓器への細胞浸潤を評価したところ、shCADM1導入細胞株では、shControl導入細胞と比較して、肝臓における腫瘍結節数の低下が見られた。本年度はイメージングも利用することにより、肝臓への浸潤機構のより詳細な解析を試みた。その結果、shCADM1導入MT-2細胞が浸潤した肝臓における血管数には変化がなく、血管新生に影響は見られなかった。一方で、肝臓内に浸潤した腫瘍内部のネクローシスが有意に減少し、さらに血管内で増殖した腫瘍塊による血栓形成の減少が見られた。さらに、ATLにおけるCADM1の発現が、肝臓の血管との接着およびextravasationに関与するかどうかを調べるため、MT-2/shControl/GFP細胞、MT-2/shCADM1/GFP細胞を尾静脈に投与後1日後に肝臓のイメージングを行った。NOGマウスを用いた生体イメージングは不可能であったが、切除した肝臓を抗CD31抗体により染色し、共焦点顕微鏡による3Dイメージングを行った。その結果、shCADM1発現細胞では血管内よりextravasationする細胞の割合が減少しており、ATLにおけるCADM1の発現が、浸潤初期における血管への接着からextravasationの過程に重要であることが示された。
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Research Products
(5 results)