2016 Fiscal Year Annual Research Report
Post-transcriptional regulation of RUNX1/RUNX3 is critical for neuroblastoma cell growth or differentiation.
Project/Area Number |
24790325
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 健一 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (90587974)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
神経芽腫細胞株においてRUNX1およびRUNX3遺伝子のmRNA発現とタンパク合成が一致しない現象について2つの仮説に基づいて実験を実施した。1つ目の仮説は、両遺伝子がタンパク分解レベルで制御されているものであったが、プロテオソーム阻害薬を添加した条件では、RUNX1およびRUNX3のタンパク量は変化しなかった。そこで2つ目の仮説である、両遺伝子が3'-UTRに結合するmicroRNAによって、タンパク合成が負に制御される可能性を検証した。RUNX1およびRUNX3の3'UTRをヒト線維芽細胞からクローニングし、ルシフェラーゼ遺伝子に融合したレポータープラスミドを作成した(microRNAセンサー)。それぞれの3'UTRは神経芽腫細胞株ではレポーター活性を抑制したが、肝細胞芽腫細胞株では抑制が見られなかった。RUNX1の3'UTRは4kbpに渡るが、5'側の2kbpに抑制活性があった。そこで該当するUTR領域をtRNA-Streptavidin-Aptamerに融合したプラスミド(tRSA-Aptamer)を作成し、UTRに結合するmicroRNAを生化学的に単離するアッセイを実施した。しかしながら、既存のクローニング手法では感度が十分ではなく、意味のある情報が得られなかった。そこで神経芽腫細胞株のmicroRNAを次世代シーケンサでプロファイルし、候補microRNAのリストを作成した。tRSA-Aptamerで単離したmicroRNA中の候補リストの発現をRT-PCRで定量したところ、RUNX1およびRUNX3のUTRに結合するmicroRNAの候補がそれぞれ得られた。RUNX遺伝子は癌遺伝子N-Mycと候補microRNAを介した制御関係にある可能性があり、現在実験的に証明しようとしている。
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