2012 Fiscal Year Research-status Report
転写因子ストークヘッドボックス1蛋白の生物学的・病理学的意義の検討
Project/Area Number |
24790329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
金崎 めぐみ 金沢医科大学, 大学病院, 研究医 (50599355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Stox1 / 糖尿病 / 尿アルブミン / 腎線維化 |
Research Abstract |
Stox1は、糖尿病性腎症の責任部位との報告(Chen G et al 2007)のある10q22に局在する転写因子で、我々の行った予備実験ではストレプトゾトシン(STZ)投与により1型糖尿病モデルに誘導したStox1ノックアウトマウスにおいて発症3-4週で著名な浮腫と腹水を認めた。 以上より、慢性的高血糖状態において生じる腎障害にStox1が関与することが強く示唆されたため、STZ投与により慢性的に高血糖状態(1型糖尿病モデル)を誘導したStox1ノックアウトマウスと野生型マウスを用いて比較検討を行った。 糖尿病マウスでは野生型マウスにおいてもSTZ投与により尿タンパク(アルブミン)が増加したが、糖尿病Stox1ノックアウトマウスでは、野生型マウスに比し更に尿タンパクの排泄が増加していた。さらに組織学的検討を重ねたところ、野生型糖尿病マウスでは尿細管間質病変-線維化はごくわずかであるがStox1ノックアウトマウスでは統計学的に有意に線維化の悪化が認められた。これらの変化はSV129 strainでは有為であったが、C57Bl6にバッククロスしたStox1 C57Bl6マウスでは糖尿病による尿タンパクの増加、線維化の増加もはっきりしなかった。また、肥満/2型糖尿病モデルの検討としてC57BL6マウスに高脂肪食を負荷したマウスにおいても検討したが、尿アルブミンの増加は確認できず、モデルの変更が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Stox1ノックアウトマウスと野生型の2群間において尿中アルブミン量、腎皮質の間質の線維化組織面積に有意差があることが統計的に示された。この事実はStox1が慢性的な高血糖状態における腎障害の進展に関与しているとの我々の仮定がより確信的であることを証明するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
1)マウス糖尿病モデルの腎障害進展におけるStox1の分子生物学的役割の詳細を今後、明らかにしていく。マイクロアレイ解析を行いStox1ノックアウトマウスと野生型の腎組織を比較検討する。 2)近年報告されたStox1とレニン―アンジオテンシン系調節機構、micro inflamation 、微小血管障害との関連を妊娠マウス、高脂肪食負荷マウスを用いて種々のサンプル(胎盤、肝臓、腎臓、尿、血清など)について生理、生化学的データの解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)