2013 Fiscal Year Research-status Report
転写因子ストークヘッドボックス1蛋白の生物学的・病理学的意義の検討
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24790329
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
金崎 めぐみ 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50599355)
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Keywords | Stox1 / 糖尿病 / 尿アルブミン / 腎線維化 |
Research Abstract |
STZ投与による糖尿病モデルマウスを用いた実験系において、我々のStox1ノックアウトマウスと野生型の2群間において、尿中アルブミン量、および腎皮質の間質における線維化組織の面積に有意差があることが統計的に示された。このことにより、Stox1が慢性的な高血糖状態における腎障害の進展に関与していることが強く示唆された。糖尿病野生型腎における線維芽細胞活性化機構を検討し、糖尿病腎において内皮細胞が内皮細胞の形質を失い間葉系細胞の形態を発現するendothelial mesenchymal transition(EndMT)が生じる事が予備的検討で示された。興味深い事に、この線維化及びEndMTに関しては、マウスのストレインにより大きな違いがある事が明らかとなってきた。Stox1活性不全により生じるレニン-アンギオテンシン系の活性化は従来より内皮細胞機能低下や活性酸素増加との関連も知られている。現在この内皮由来の間葉系細胞産生系であるEndMTに対するStox1不全の演じる役割を検討するため、1型糖尿病モデル、高脂肪食モデル各群の凍結切片を作製し検討を行っている。また、当初はStox1のレニン遺伝子3`UTRに対する抑制効果を検討するため相互蛋白のクローニングを予定していたが、この数年に急速に各種遺伝子の3`UTR抑制効果のあるmicroRNAのデーターベースが整ってきており、レニン遺伝子の3`UTRにもその抑制効果が認められるmicroRNA発見が相次いでいる。そこで、stox1不全に根拠のあるmicroRNAのアレイ解析を行うため胎盤、肝臓、腎臓のmicroRNAを抽出するためサンプルを収集し終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Stox1の繊維芽細胞活性化機構における役割を目的に適した実験系により得られた十分なサンプルにより解析を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病モデルマウスの腎障害進展におけるStox1の役割を明らかにするために、繊維芽細胞活性化機構に注目しmicro inflamationや微小血管障害とStox1との関連など多角的にマイクロアレイ解析など多様な手法を用いて検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ計画通りに予算を使用していたが、購入額が想定した見積より低額となりわずかな次年度使用額が生じた。(398円) 実験動物の購入、維持、詳細な分子機構の解明のため細胞の購入、維持、抗体や試薬、各種生物マーカーの測定キットの購入など。
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