2012 Fiscal Year Annual Research Report
初期肺腺癌におけるIGBP1の抗アポトーシス機能の解明
Project/Area Number |
24790345
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂下 信悟 筑波大学, 医学医療系, 講師 (40620638)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人体病理学 |
Research Abstract |
私は、目的として(1)浸潤癌でのIGBP1高発現機序の解明、(2)IGBP1の核内移行の機序解明を挙げて研究を行った。(1)については、先行研究としてmicroRNAがIGBP1の発現幾序に関与しているとする報告があったため、ヒト肺切徐術材料を用いたmicroRNAアレイ解析を行った。具体的には、微小浸潤癌1例と小型浸潤癌2例に対してmicroRNAアレイ解析を行った。小型浸潤癌に共通して上昇が認められたものとしてはmiR-4301が、逆に低下していたものとしてはmiR-30b, miR30d, miR675, miR-659があきらかになった。Targetscanデーターベースを用いて検索した結果、IGBP1と関連したmicroRNAは得られなかったが、微小浸潤癌と小型浸潤癌は非常に類似した病変であるにもかかわらず、miRNAレベルが5へ7倍ほど変化しており、病態に何らかの関与をしている可能性が考えられた。(2)についてはLactoferrin投与により肺癌細胞株(PC-14)がG0-G1に留まる事をFlow cytometryにて確認し、その原因遺伝子検索のためcDNA microarrayを行った。Lactoferrinを添加した細胞珠で発現が増加している遺伝子は1,826個あり、発現が減少している遺伝子は2,136個あった。これらの遺伝子群をGene Ontologyでクラシフィケーションしたところ、lactoferrinにより発現が増加した遺伝子群には輸送系に関与する遺伝子が多く、lactoferrinにより発現が減少する遺伝子群には細胞周期やDNA複製に関与する遺伝子が多かった。輸送系に関与する遺伝子が多いという結果はIGBP1の咳内移行との関連を示唆する結果であった6.
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