2013 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍間質及び嚢胞内容液中のマイクロRNAに着目した卵巣明細胞腺癌研究
Project/Area Number |
24790349
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 大地 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30585500)
|
Keywords | 卵巣 / マイクロRNA |
Research Abstract |
本研究は卵巣腫瘍の嚢胞内容液に含まれるマイクロRNAの測定を試みた世界初の研究である。我々は漿液性嚢胞腺腫を対照群として設定し、明細胞腺癌、類内膜腺癌、そしてこれらの癌の前駆病変と想定される内膜症性嚢胞に関して嚢胞内容液に含まれる各種マイクロRNAの測定を行った。その結果、卵巣明細胞腺癌の嚢胞内容液にはmiR-21、miR-141が多く含まれていることが明らかとなった。miR-21、miR-141の濃度は漿液性嚢胞腺腫の嚢胞内容液に比して内膜症性嚢胞の内容液において軽度上昇していた。これらのマイクロRNAは、明細胞腺癌において前駆病変である内膜症性嚢胞と比較してはるかに高い濃度で検出されたのに対して、類内膜腺癌の嚢胞内容液における濃度は内膜症性嚢胞とほぼ同等となっていた。この結果からはmiR-21、miR-141が明細胞腺癌の発癌過程において嚢胞内容液中の濃度上昇をきたすマーカーであると判断される。なお、let7aに関しては漿液性嚢胞腺腫、子宮内膜症性嚢胞、類内膜腺癌の順に嚢胞内容液中の濃度が高くなっており、類内膜腺癌の発生、進展の過程で濃度上昇をきたすマーカーであると推定された。miR-16、miR-181aは内膜症性嚢胞内できわめて高濃度で存在するにも関わらず、明細胞腺癌、類内膜腺癌では相対的に濃度が低くなっていた。これらのマイクロRNAに関しては内膜症特異的な嚢胞内容液中のマーカーで、腫瘍化、悪性化に伴って濃度低下をきたしている可能性が考慮される。
|
-
-
-
[Journal Article] Claudin-18 overexpression in intestinal-type mucinous borderline tumour of the ovary.2013
Author(s)
Halimi SA, Maeda D, Shinozaki-Ushiku A, Koso T, Matsusaka K, Tanaka M, Arimoto T, Oda K, Kawana K, Yano T, Fujii T, Fukayama M.
-
Journal Title
Histopathology.
Volume: 63(4)
Pages: 534-44
DOI
Peer Reviewed
-
-
-