2012 Fiscal Year Research-status Report
濾胞性リンパ腫における幹細胞の探索と分子病理学的解析
Project/Area Number |
24790350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高田 尚良 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90580259)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | なし |
Research Abstract |
平成24年度で計画していた正常リンパ組織胚中心において、多種類の幹細胞マーカーによる染色を行い、着目しているマーカーが他の汎用性マーカーと比べてより狭い細胞集団を認識することが判明した。また、腫瘍組織においても当初5例のみにおいて幹細胞マーカーの局在を確認したが、30症例について検討したところ、すべての症例において、同様の局在を示すことが証明された。また、腫瘍細胞においても正常リンパ組織と同様に、着目するマーカーについては他の汎用性マーカーよりも認識される陽性細胞集団はより限定されたものとなっていた。 次に、濾胞性リンパ腫患者凍結検体を用いた検討では、症例追加を行い、幹細胞マーカー陽性の細胞集団をmicrodissectionによりsingle cell dissectionし、LD-PCR法によるt(14;18)を検討した。5例の凍結検体を用いた結果では、全例で転座を検出できた。また、幹細胞マーカー陽性細胞集団についてFISH法による染色体転座の検討を行い、組織切片上での陽性細胞における転座を確認した。 現在、この幹細胞マーカー陽性の細胞集団について濾胞性リンパ腫由来細胞株を用いた細胞生物学的性状の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初24年度で計画していた研究計画については、ほぼ達成できており、細胞生物学的解析の段階に入っている。これらの点から、おおむね順調に進展していると考えられる。また、多数例の濾胞性リンパ腫患者病理組織検体の臨床病理学的予後解析も行う予定にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においては、細胞株における幹細胞マーカー陽性細胞集団について、抗体医薬やリンパ腫抗腫瘍薬によるstressor刺激を加えることにより、陽性細胞集団の変化や薬剤に対する耐性の性状などを解析する予定である。また、この陽性細胞集団についてマウスへの移植実験も計画している。さらに、陽性細胞集団を純化し、陰性細胞集団と比較してどのような薬剤耐性遺伝子が変動しているかをDNAマイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おもに細胞生物学的解析を行うのに必要な試薬類、マウスの購入・飼育費用に充当する予定である。残りはマイクロアレイによる発現解析の試薬購入費用に充てる予定としている。
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Research Products
(10 results)