2012 Fiscal Year Research-status Report
胆道癌の予後改善に向けた新規診断マーカー候補クローディンとマスピンの発現解析
Project/Area Number |
24790355
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高澤 啓 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00593021)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | クローディン / マスピン / 胆道癌 |
Research Abstract |
胆道癌は極めて予後不良な癌であり、予後改善のためには胆道癌特異的な診断マーカーの確立が急務である。本研究では、claudin-18及びmaspinの発癌過程及び癌における生物学的特徴を解析し、胆道癌の診断マーカーとしての有用性を評価・確立することを目的としている。平成24年度は以下の実験を行い、結果を得ている。 1)胆道癌切除材料(66症例)を用いてclaudin-18, maspin, p53の免疫染色を実施した。いずれの抗体も浸潤癌、上皮内病変部での良好な染色性を示す一方で、正常上皮での染色性は低いことが確認された。claudin-18は分化度により染色性が低下傾向にあることが確認された。3種の抗体を組み合わせることで、感度、特異度ともに高く、腫瘍・非腫瘍を判別可能であることが確認された。 2)胆道癌細胞株での各種刺激におけるclaudin-18, maspinの発現変化を検討した。複数の細胞株において、claudin-18はEGF, TFGβ, hypoxia等の刺激により著明な発現増加が確認された。maspinは各種刺激に対して、顕著な発現変化は確認されなかった。 3)胆道癌細胞株で、claudin-18がエピジェネティックな修飾により発現調節を受けている事を確認した。DNAの脱メチル化処置により、claudin-18の発現は増加した。maspinの発現に大きな変化は見られなかった。また、ヒストンのアセチル化剤処置によりclaudin-18の発現が変化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術材料を用いた免疫組織化学的検討は、全ての免疫染色および染色態度の評価を終了している。診断マーカーとしての妥当性を確保できたため、生検材料の組織学的検討を施行中である。 胆道癌細胞株を用いたclaudin-18、maspinの発現傾向の比較、発現調節機構の解析は現在進行中である。胆道癌細胞株において、claudin-18、maspinともにエピジェネティックな修飾を受けている事を確認している。 胆嚢上皮の培養については、現在検討中である。条件検討、hTERTの導入などを行い正常上皮の培養法確立を目指す。 総合すると概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
・生検材料を含めた組織材料の免疫組織化学的検討を行い、病理診断での診断マーカーとしての有用性を評価・確立する。 ・胆道癌細胞株を用い、強制発現、発現抑制下での浸潤能、増殖能、ヌードマウスを用いたin vivoでの造腫瘍能、転移能を解析する。 ・胆道癌細胞株におけるclaudin-18, maspinの発現調節機構の解析を行う。 ・胆嚢上皮の培養法を確立する。正常上皮と癌細胞との間で見られるclaudin-18, maspinの発現調節の差異を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費(抗体、培養試薬、蛋白およびRNA解析用試薬、形態観察用試薬、機能解析用試薬など):165万円、旅費(国内学会):10万円、その他(材料費):5万円
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] A case of urothelial carcinoma, lipid cell variant.2013
Author(s)
Kojima Y, Takasawa A, Murata M, Akagashi K, Inoue T, Hara M, Tokunaga Y, Minase T, Hasegawa T, Sawada N.
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Journal Title
Pathology International
Volume: 63(3)
Pages: 183-187
DOI
Peer Reviewed
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