2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規膵癌(膵管内管状乳頭腫瘍)のマウスモデルの作製
Project/Area Number |
24790358
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山口 浩 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20510697)
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Keywords | 膵管内管状乳頭腫瘍 / 膵癌 / 遺伝子改変マウス |
Research Abstract |
今回の研究は,以下の2種の親マウスの交配により,膵特異的にPIK3CAの変異を惹起させたマウスモデルを作製し,ヒトintraductal tubulopapillary neoplasm (ITPN)類似の腫瘍が発生するか否かを検証することが主目的である.①Cre-PDX1マウス.PDX1のプ ロモーター下にCre組換え酵素を組み込んだマウス.②LSL-PIK3CAmutantマウス.内因性のPIK3CA遺伝子のプロモーター領域にloxP-Stop-loxPという配列が挿入され,その下流に変異型PIK3CAの配列が連なった遺伝子改変マウス. 昨年度報告の段階で,両系統のマウスを入手しており,その後継代により双方ともにホモ接合型,ヘテロ接合型のマウスを作製した.25年度7月より,PDX1-creマウスのヘテロ接合体,LSL-PIK3CAmutantマウスのホモ接合体の最初の交配が可能となった.その後,週齢12wのものから,4週毎に対照群,コントロール群ともに4例ずつsacrificeし,腫瘍発生を検索している段階である.現在,週齢28wのマウスまで検討が行われている.3例にacinar to ductal metaplasia (ADM)が観察されたが,膵管内腫瘍の発生は現在のところ確認されていない.ADMは多くの膵癌マウスモデルでみられる病変であり,少なくともその一部は前癌病変である可能性が指摘されている.また,ITPNは形態学的,免疫組織化学的に腺房中心細胞・介在導管といった腺房と膵管の境界域にある組織への類似性がうかがわれる腫瘍であり,その発生過程にADMが関わっている可能性も十分に考えられ,興味深い所見である.今後,4週ごとにマウスのsacrificeを行い,少なくとも1年(52週)の期間,定期的に観察し腫瘍発生の有無を検証していく予定である.
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Research Products
(4 results)