2013 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ脈管筋腫症におけるHIF-1αの発現とmTOR、VEGF-Dへの関与
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24790363
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
林 大久生 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70569128)
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Keywords | リンパ脈管筋腫症 / mTORシグナル伝達系 / VEGF-D / HIF-1α |
Research Abstract |
リンパ脈管筋腫症(LAM)細胞はリンパ管内皮細胞増殖因子であるVEGF-Dを産生し、病巣内に豊富なリンパ管新生をもたらす結果、LAM細胞がリンパ行性に転移性病態を形成し病態が進行していくが、LAM細胞発生に関わるmTORシグナル伝達系とVEGF-D発現との関連は明らかではない。 本研究では、LAM細胞はmTORシグナル伝達系の恒常的活性化により、HIF-1αが高発現している事、及びHIF-1αを介して、LAM細胞がVEGF-Dを発現しているとの仮説の元、以下のような研究を行った。26例の重症LAM患者の移植肺組織ホルマリン固定パラフィン包埋材料において、HIF-1α, VEGF-D抗体及びmTORシグナル経路に関連してp-p70S6K, p-S6, p-4E-BP1抗体を用い、上記仮説を免疫組織学的に検討した。免疫染色の結果は0 (0 - 5% cells), 1+ (6 - 25% cells), 2+ (26 - 50% cells), 3+ (51 - 100% cells)と半定量的に判定したところ、以下のような結果を得た。p-p70S6K: 0 (0%), 1+(4%), 2+(4%), 3+(92%); p-S6: 0 (0%), 1+(8%), 2+(15%), 3+(77%); p-4E-BP1: 0 (0%), 1+(23%), 2+(35%), 3+(46%); HIF-1α: 0 (100%), 1+(0%), 2+(0%), 3+(0%); VEGF-D: 0 (0%), 1+(15%), 2+(23%), 3+(62%). また新鮮凍結材料3例を用いたウエスタンブロットによる検討においても全例でHIF-1αの発現は認めなられなかった。 これらの結果より、LAM細胞ではmTOR系の活性化とVEGF-Dの発現が病理組織材料で確認された一方、HIF-1αの高発現はみられず、LAM細胞では、mTOR/ HIF-1α/ VEGF系非依存性にVEGF-Dの発現を呈している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)