2013 Fiscal Year Annual Research Report
高感度in situハイブリダイゼーション法によるC型肝炎ウイルス遺伝子型の同定
Project/Area Number |
24790367
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
塩竈 和也 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10387699)
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Keywords | HCV / in situ hybridization / locked nucleic acid / AT tailing / HCV genotyping / nested RT-PCR / ヒト肝臓型HCV感染キメラマウス |
Research Abstract |
LNA修飾オリゴヌクレオチドプローブとチラミド増感法を組み合わせた高感度in situ hybridization法(LNA-ISH法)を用いて、本年度は臨床材料に焦点を絞って検討した。対象は、C型慢性肝炎の肝生検を11例およびHCV関連肝細胞癌の手術材料を1例用いた。陰性対象として、B型慢性肝炎、脂肪肝および自己免疫性肝炎の肝生検、HBV関連肝細胞癌の手術材料を各1例ずつ加えた。 C型慢性肝炎は、いずれも血清中のHCV-RNAが高値(1.9×102 KIU/mL以上)を示したが、HCV関連肝細胞癌では低値(84 KIU/mL)だった。パラフィン切片からtotal RNAを抽出したのち、nested RT-PCRを施行した結果、C型慢性肝炎の8/11例(73%)でHCV-RNAが検出できた。いずれの陽性例においても、HCV遺伝子型は血清データと相関した。LNA-ISH法は、HCV感染ヒト肝臓化キメラマウスで設定した検出条件で明瞭な陽性シグナルを得ることができた。C型慢性肝炎の9/11例(82%)で陽性シグナルが確認され、そのうち3例はびまん性に陽性を示したが、6例は一部あるいは部分的に陽性だった。Nested RT-PCRで陰性だった3例のうち、1例はLNA-ISH法も陰性、2例はLNA-ISH法で一部あるいは部分的に陽性だった。Nested RT-PCR陽性かつLNA-ISH法が陰性だった症例は1例のみだった。陰性対象およびHCV関連肝細胞癌では、いずれもHCV-RNAは検出されなかった。 NS4領域に加えて、NS5AおよびNS5B領域に対するHCV genotypingプローブ(1a型、1b型、2a型、2b型)によるHCV遺伝子型の鑑別を行った。LNA-ISH法とAT tailing-ISH法を用いて検討を加えたが、陽性シグナルは検出できるものの遺伝子型間での交差反応が生じるため、遺伝子型の鑑別までには至らなかった。LNA-ISH法とAT tailing-ISH法の検出感度を比較すると、両者はほぼ同程度の染色性を示すことが確認された。
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Research Products
(1 results)