2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヘミデスモソーム構成分子の毛包幹細胞分裂における役割の解明
Project/Area Number |
24790376
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
松村 寛行 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (70581700)
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Keywords | 17型コラーゲン / 毛包幹細胞 / 細胞極性 / ヘミデスモソーム / aPKC |
Research Abstract |
細胞極性は、哺乳類の幹細胞の自己複製と分化の制御に重要な役割を果たすことが分かってきているが、成体の毛包幹細胞におけるその制御と役割は、全く明らかにされていない。基底膜ヘミデスモソーム構成成分である17型コラーゲンは、表皮基底膜細胞を基底膜へと固定する役割をもつことが知られている。我々は、17型コラーゲンを解析したところ、毛包の基底膜にも発現しており、毛包幹細胞の維持に必須であることを明らかにしてきている(Cell Stem Cell 2011)。本研究では、17型コラーゲンが、どのようにして毛包幹細胞の細胞極性制御に関わるのか、また、その細胞極性の欠損により、どのような表現型を示すのかを解析している。 初めに、免疫染色法により毛包幹細胞の細胞極性を解析したところ、毛包幹細胞は、活発に増殖する時期において、基底膜を軸として、均等分裂および不均等分裂を引き起こすことが分かった。次に、免疫沈降法により17型コラーゲンとの結合分子を解析したところ、細胞極性制御因子であるaPKCと結合することが分かった。また、17型コラーゲンの毛包特異的欠損マウスを作製し解析したところ、毛包幹細胞の無極性の不均等分裂を増加させて、表皮角化細胞へと異所性分化し、均等分裂の減少により毛包幹細胞を枯渇し、最終的に脱毛に至った。また、aPKCの毛包特異的欠損マウスでも、より顕著な脱毛を含めた、同様の表現型を示している。以上の詳細をまとめた論文を現在投稿準備中である。
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