2013 Fiscal Year Annual Research Report
多能性維持転写因子NACC1による細胞増殖制御機構の解明
Project/Area Number |
24790391
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
葛西 秋宅 岩手医科大学, 医学部, 研究員 (20609664)
|
Keywords | NACC1 / 腫瘍悪性化 |
Research Abstract |
NACC1は複数の悪性腫瘍において過剰発現することで増殖や薬剤耐性に関与し、予後不良に関連する報告がある。NACC1の分子機能および遺伝子発現制御機構を明らかにするため、ヒト乳癌由来細胞株MCF-7においてNACC1のノックダウンにより発現が変動するmRNAを次世代シーケンサーで網羅的に解析した。また、タグを融合したNACC1タンパク質を発現する細胞を樹立し、NACC1と相互作用するタンパク質を網羅的に解析した。 トランスクリプトーム解析で発現変動が認められたCyclin D1、c-MycおよびCHD8に関してタンパク質レベルで確認したところ、NACC1ノックダウンに用いたsiRNAのオフターゲット効果であることが判明した。また、増殖抑制に関しても複数のsiRNAで確認したところ、最初に用いたsiRNAのオフターゲット効果であった。 NACC1と相互作用するタンパク質候補で、細胞増殖の制御に関わるPLK1との相互作用を確認した。前述のとおりNACC1ノックダウンによる増殖抑制が見られなかったため、PLK1がNACC1を制御している可能性を検証したところ、PLK1が細胞分裂期にNACC1と相互作用しリン酸化することを見出した。 複数のsiRNAを用いNACC1ノックダウンにより増殖抑制が見られる乳癌および卵巣癌細胞株をスクリーニングしたところ、乳癌細胞株MDA-MB-231において複数のsiRNAで増殖抑制が見られた。この細胞でタグを融合したNACC1タンパク質を発現する細胞の樹立を試みたが、安定発現株は得られなかった。
|