2014 Fiscal Year Annual Research Report
RXRの異常修飾に伴う細胞増殖亢進を介した新規嚢胞形成機序の解析と抑制効果の検証
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24790393
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
釘田 雅則 藤田保健衛生大学, 疾患モデル教育研究センター, 助教 (50440681)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多発性嚢胞腎症 / RXR |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、多発性嚢胞腎症(PKD)の病態進行にRXRが関与していること、嚢胞腎においてRXRがリン酸化されており、PKDにおける細胞増殖亢進機序がガン細胞におけるリン酸化RXRを介した細胞増殖亢進機序に類似していることを本研究により新知見として得た。さらに、これらの知見を基に、ヒトの嚢胞腎の不死化細胞(ヒトPKD細胞)を用いて、RXRリガンドおよびRXRのリン酸化に関与していると考えられるMAPK経路の阻害剤の1つであるMEK阻害剤の細胞増殖抑制効果を検証した。その結果、RXRリガンドは9%、MEK阻害剤は14%の細胞増殖抑制効果を示し、RXRリガンドとMEK阻害剤の併用は24%の相乗抑制効果を示した。 上記の結果を基にPKDモデル動物であるjckマウスにRXRリガンドおよびMEK阻害剤を単独、もしくは併用投与した。ヒトPKD細胞の実験に使用したMEK阻害剤は、動物投与時に副作用が報告されているため、副作用なくMEKの阻害を行うソマトスタチン類似体をMEK阻害剤の代替品として使用した。十分な数の動物が揃わず、また動物間の個体差が大きいため、投与結果に有意差をつけることはできなかった。しかしながら、ソマトスタチン類似体の単独投与より、ソマトスタチン類似体とRXRリガンドの併用投与の方が、腎体重比に減少傾向が見られた。そのため、生体においてもRXRリガンドとMEK阻害剤の併用は有効であると考えられる。また、純粋なMEK阻害剤でなくても、各種経路の抑制に伴いMEKを阻害する薬剤であれば、併用効果が期待できると考えられる。
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