2013 Fiscal Year Research-status Report
ASK1 knock outによるアポトーシスの粥腫破綻における役割
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24790394
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山田 壮亮 産業医科大学, 医学部, 講師 (90525453)
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Keywords | 病理学 / 動脈硬化 / アポトーシス |
Research Abstract |
【方法】(1)総頸動脈結紮モデル:Wild type (C57BL/6, WT) およびASK1-/- (C57BL/6 background) を用い、左総頸動脈結紮後3週で動脈を摘出した。①組織学・免疫組織化学的観察。②mRNAの抽出→real time RT-PCR施行。③血清の採取→ELISA施行。(2)骨髄移植モデル:9 GyのX線を照射したWTに、WTおよびASK1-/-の骨髄を各々注射移植後5週で、同様の総頸動脈結紮モデルを作製し、組織学的観察を施行した。 【結果】①結紮後3週の左総頸動脈においてASK1-/-ではWTと比し、新生内膜肥厚が有意に抑制されており、肥厚内膜内のα-SMA陽性平滑筋細胞(SMC)の単位面積当たりの数の減少も見られた。②ASK-/-では肥厚内膜内微小血管が有意に減少しており、浸潤するCD3陽性Tリンパ球の減少も観察された。更に、複数の炎症性サイトカインの発現も減少していた。③ASK1-/-では、肥厚内膜内および中膜内SMCのアポトーシスが有意に抑制されていた。加えてCD31陽性血管内皮細胞(EC)のアポトーシスも抑制されており、CD54/CD106といったEC由来の接着因子の発現も有意に抑制されていた。④ASK1-/-とWTの肥厚内膜内におけるSMCの細胞増殖能(ki-67 or BrdU染色陽性率)に有意な差は見られず、ASK1-/-においてPDGF-BBの発現が有意に減少していた。⑤ASK1-/-では、電子顕微鏡下の観察で、肥厚内膜内SMCの分泌型への脱分化は明らかでなく、Masson’s trichrome染色において、肥厚内膜内の細胞外基質の有意な減少が観察された。⑥骨髄移植モデルにおいても、ASK1-/- donor群ではWT donor群に比し、新生内膜肥厚が有意に抑制されており、非骨髄移植群の結果を支持する結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実験の大半を終了し、論文投稿を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はASK1とapolipoprotein E (apoE)のdouble knockout mice (ASK1-/-/apoE-/-)を用いた高コレステロール血症モデルにおいて、安定プラーク形成に傾く可能性を見出している。今回、ASK1-/-を用いた血管障害モデルでの血管再構築において、新生内膜肥厚の減少だけでなく、肥厚内膜内の新生血管の有意な減少も認め、ASK1 knockoutが安定プラーク形成に寄与する可能性をさらに見出すことに成功した。ASK1 signalingの阻止は、粥腫安定化やangioplasty後の再狭窄の抑制に有効であるかもしれない。治療薬としてのASK1 blockerの可能性・潜在性を、今後の研究で明らかにし推進して参りたい。
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Research Products
(5 results)