2014 Fiscal Year Annual Research Report
ASK1 knock outによるアポトーシスの粥腫破綻における役割
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24790394
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山田 壮亮 産業医科大学, 医学部, 講師 (90525453)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 病理学 / 動脈硬化 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】 (1) 総頸動脈結紮モデル:Wild type (C57BL/6, WT) およびASK1-/- (C57BL/6 background) を用い、左総頸動脈結紮後3週で動脈を摘出した。①組織学・免疫組織化学的観察、②mRNAの抽出→real time RT-PCR施行、③血清の採取→ELISA施行。(2) 骨髄移植モデル:9 GyのX線を照射したWTに、WTおよびASK1-/-の骨髄を各々注射移植後5週で、同様の総頸動脈結紮モデルを作製し、組織学的観察を施行した。 【結果】 ①結紮後3週の左総頸動脈において、ASK1-/-ではWTと比し、新生内膜肥厚が有意に抑制されており、肥厚内膜内のα‐SMA陽性平滑筋細胞(SMC)の単位面積当たりの数の減少も見られた。②ASK-/--では肥厚内膜内微小血管が有意に減少しており、浸潤するCD3陽性Tリンパ球の減少も観察された。更に、複数の炎症性サイトカインの発現も減少していた。③ASK1-/-では、肥厚内膜内および中膜内SMCのアポトーシスが有意に抑制されていた。加えてCD31陽性血管内皮細胞(EC)のアポトーシスも抑制されており、CD54/CD106といったEC由来の接着因子の発現も有意に抑制されていた。④ASK1-/-とWTの肥厚内膜内におけるSMCの細胞増殖能(ki-67 or BrdU染色陽性率)に有意な差は見られず、ASK1-/-においてPDGF-BBの発現が有意に減少していた。⑤ASK1-/-では、電子顕微鏡下の観察で、肥厚内膜内SMCの分泌型への脱分化は明らかでなく、Masson’s trichrome染色において、肥厚内膜内の細胞外基質の有意な減少が観察された。⑥骨髄移植モデルにおいても、ASK1-/- donor群ではWT donor群に比し、新生内膜肥厚が有意に抑制されており、非骨髄移植群の結果を支持する結果であった。
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Research Products
(1 results)