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2013 Fiscal Year Research-status Report

ネッタイシマカにおける亜種特異的産卵場所選好性の崩壊:同所的分布による行動変化

Research Project

Project/Area Number 24790403
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

二見 恭子  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30432983)

Keywordsネッタイシマカ / 亜種構成 / 発生環境 / 行動変化
Research Abstract

平成25年度は、前年度に引き続き3地域(都市、森林、混合)での発生場所を調べ、採集されたネッタイシマカ幼虫から発生した亜種(都市型 Aaa、森林型 Aaf)の割合と環境要因の関係を解析した。その結果、都市環境で有意にAaaの割合が高く、また、Aaaの割合は人家までの距離が近いほど高くなった。さらに人工容器からもAaaが多く発生していた事から、従来言われていたAaaの生態と一致している事が示された。しかしその一方で、Aafは3地域のどこからも高い頻度で発生しており、Aafがより柔軟に環境に適応している事が示唆された。
野外で採集したメス1個体ごとに産卵させた卵を羽化させ、一腹から生じる成虫の形質を調べた。その結果、一腹の子には0-50%の割合でAaaとAafの形質が混在しており、発生したメスでAaaの割合が高く、オスではほとんどがAafであった。これらの結果から、AaaとAafは明確な系統があるとは言えない事が示唆された。しかし、産卵したメス個体数が非常に少ないため、次の産卵実験で得られた卵を羽化させ、成虫の形態を調べる予定である。
プラスチックカップと木製カップを利用した産卵実験は、都市環境と混合環境で採集した2集団のメスについて行った。森林環境では十分な幼虫が確保されず、また亜種構成は混合環境と有意な差がなかったため、2集団のみの実験とした。どちらの集団でも、ほとんどのメスは木製カップにのみ産卵したが、一部のメスは両方のカップに産卵した。それぞれのカップへの産卵数は、木製カップで多く、プラスチックカップでは数個から十数個であった。ただし、実験に用いたカップでは、構造や色に違いがあるため、自然容器を選択したとは言い切れない。今後、プラスチックカップの色や構造を変化させた実験を行いたい。実験に用いたメスの同定がまだ終わっていないため、同定後に改めて解析を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度の調査の遅れのため、当該年度4-6月の調査では環境要因を明らかにする採集調査、および産卵実験の一部実行が限界であった。その後、前期で教育した現地スタッフに依頼して産卵実験を行ったが、野外集団を利用したために吸血効率が悪く、実験期間が延びた事が理由として挙げられる。そのため、一部のサンプルの同定が終わっておらず、解析を進める事ができなかった。また、年度末に調査地周辺のサテライトデータを新たに入手したことも一つの理由である。このデータをこれまでの調査で採集した環境データに加えることより、さらに明確な環境変異が明らかにされると考え、新たな解析を加える事で投稿が遅れるのもやむを得ないと判断した。

Strategy for Future Research Activity

次年度は①同定の終わっていない成虫サンプルの同定、②サテライトデータおよび全天写真による周辺環境の評価、③論文執筆・投稿を予定している。①の成虫サンプルは別プロジェクトでケニアに滞在するため、帰国する際に日本へ運び、同定する。②については、解析用ソフトを取得した後、同研究室所属のGIS専門家の指導を受けて解析法を習得する予定である。既にある程度のサテライトデータの解析法は習得しているため、この解析にはあまり時間を要しないと予想される。これらの結果を受けて、③の論文執筆に取りかかり、次年度中に投稿する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

初年度の調査の遅れのため、本年度4-6月の調査では環境要因を明らかにする採集調査、および産卵実験の一部実行が限界であった。その後、渡航には不十分な残高であったことと、他のプロジェクトの為の渡航があったことから、前期で教育した現地スタッフに依頼して2月まで実験を行った。そのため、未だ解析は不十分であり、論文投稿が本年度中に間に合わなかったことから、その分の予算が未使用となっている。
平成26年度に交付される研究費は、論文投稿費が主要な用途であり、必要に応じて現地スタッフに対する謝金、および短期間の現地滞在費に充てる予定である。実験補助を現地スタッフに依頼するため、1人X800円X14日間=11200円、さらに申請者の4日程度の短期滞在のための滞在費に24000円を見込んでいる。他のプロジェクトで長期間のケニア滞在があるため、本年度は航空券代は必要ない。残金は、論文投稿費と印刷代に使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ネッタイシマカの発生環境と亜種構成

    • Author(s)
      二見恭子、Gabriel O. Dida, Peter A.Lutiali
    • Organizer
      第65回日本衛生動物学会
    • Place of Presentation
      酪農学園大学(北海道江別市)
  • [Presentation] Habitat Selection of Two Subspecies of Aedes aegypti in Western Kenya

    • Author(s)
      Kyoko Futami, Peter Akweywa, Cassian Mwatele, Sammy Njenga, Noboru Minakawa
    • Organizer
      Asian-African Research Forum on Emerging and Reemerging Infections
    • Place of Presentation
      仙台国際センター(仙台)

URL: 

Published: 2015-05-28  

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