2013 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎原因菌であるレジオネラの宿主細胞内における病原性発症機構の解明
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24790425
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
新崎 恒平 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (70609990)
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Keywords | レジオネラ菌 / レジオネラエフェクター / 細胞内小胞輸送 / Rabタンパク質 |
Research Abstract |
本申請研究では、肺炎を引き起こすことが知られているグラム陰性細菌に属するレジオネラ菌の細胞内発症機構の解明を目的として研究を行っている。具体的な研究実施概要は以下に記載する。 宿主細胞内に侵入したレジオネラ菌はレジオネラ小胞(Legionella-containing vacuole; LCV)と呼ばれる膜構造体を形成し、宿主細胞の小胞体より出芽した輸送小胞(ER小胞)を取り込み融合する。その結果、LCVの膜構造が小胞体-ゴルジ体間中間区画(ERGIC)と類似した構造に変化し、レジオネラ菌の増殖の場である小胞体との融合が可能となる。この一連の過程の中で、LCVとER小胞の繋留 機構においては不明な点が多く残っている。そこで、申請者は宿主細胞の細胞膜に局在する繋留因子であるexocyst複合体に着目して研究を行った。 昨年度までの研究により、DrrAと結合するexocyst複合体のサブユニットがLCV膜上に集積し、それらサブユニットの発現抑制がLCVへのER小胞の供給を顕著に抑制することを明らかにした。更に、それらサブユニットの機能阻害がレジオネラ菌の細胞内増殖を顕著に抑制することを明らかにした。以上の結果は、レジオネラ菌はexocyst複合体の機能を利用することで、ER小胞とLCVとの繋留を促進し効率的な増殖を行っていることを示している。なお、本内容をベースとした投稿論文を現在作製中である。 本年度は、Rab1以外にレジオネラ感染に関与するRabタンパク質の探索を行った。その結果、Rab6(ゴルジ体から小胞体への逆行輸送に関わるRabタンパク質)が時間特異的にLCV上に集積することを見いだした。また、Rab6の機能不全変異体を発現させた細胞においてレジオネラ菌の細胞内増殖が抑制されたことから、Rab6がレジオネラ菌の細胞内増殖に必要である可能性を見いだしている。
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Research Products
(5 results)