2013 Fiscal Year Research-status Report
糞便培地を用いたヒト腸内の難培養細菌の分離培養とゲノム細菌学的解析
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24790429
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
関塚 剛史 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (40462775)
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Keywords | 腸内細菌叢 / メタゲノム解析 / 難培養細菌 |
Research Abstract |
ヒト腸管内には、未だ分離されていない未知・難培養細菌が多数存在する。本研究は、未知・難培養細菌を本来生息する環境に近い条件で培養し、それら細菌の特徴をゲノムレベルで理解する事を目的としている。ヒト糞便を二種類の手法(オートクレーブ滅菌およびγ線滅菌)で滅菌し、それらを用いて液体培地を作成した。滅菌しなかった糞便をシードとして、上記液体培地に添加し、嫌気条件化で培養を試みた。その結果、僅かでは有るが、菌の増殖が認められた。菌体を回収後、DNA抽出を行い、16S rRNA遺伝子をPCRにて増幅後、次世代シークエンサーを用いて網羅配列解読を行った。その結果、ヒト糞便液体培地に於いて特徴的な細菌の増殖が認められた。また、滅菌法の違いにより増殖する細菌が異なる事も明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト糞便液体培地にて、糞便中の特徴的な細菌が増殖出来ている事が明らかになった事は重要な知見であった。しかし、16S rRNA遺伝子を用いたメタゲノム解析の手法が、シークエンサーのキットのバージョンアップの影響により、旧来の方法が適応出来なくなっていた。そのため、新手法の公開およびin silico解析の改善がされるまでに時間を要してしまった。また、ヒト糞便試料を用いており、Lotを合わせて実験を行う事が好ましい。しかし、試料に限りが有るため、少量で試験を行っているため、進展が少々遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト液体糞便培地を用いた培養の追試を行い、再現性を確認する。また、ヒト液体糞便寒天培地を用いて分離培養を行い、単一コロニーを回収し、難培養細菌であるかを既存の嫌気性細菌用の培地にて増殖の有無を確認する。また、得られた細菌の16S rRNA遺伝子の配列を決定し、これまでに報告の有った細菌であったかを調査する。難培養細菌もしくは、新規な細菌である事が認められた場合、それらのゲノム配列を決定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シークエンサーの消耗品の割引があり、費用が予想していたよりも安くなった。また、当研究所の研究経理システム不備の影響で、年度末の消耗品購入に支障を来たした。そのため、残額の詳細が不透明となり、培養関連に必要な消耗品の購入が出来なかった。 次年度使用額は、培養に必須な培地およびシャーレの購入をし、ヒト糞便培地を用いた腸管内細菌の分離培養を行う。
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