2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスヌクレオソーム標識実験法によるウイルス発現調節メカニズムの解析
Project/Area Number |
24790438
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蝦名 博貴 京都大学, ウイルス研究所, 助教 (60541951)
|
Keywords | HIV / 潜伏感染 / クロマチン / ゲノム編集 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞核内で形成されるウイルスクロマチンのウイルス発現制御メカニズムの解明である。その目的完遂のため、LacO/LacIシステムを応用した新規ウイルスクロマチン標識実験法の構築を行なった。H24年度にはHIVプロウイルスをLacO/LacIシステムを用いた標識に成功したが、その効率の低さからHIVプロウイルスに効率よくLacO反復配列を挿入する技術開発が必要となった。そこでH25年度はゲノム編集CRISPR/Cas9法を用いたHIVプロウイルス改変技術の確立を行なった。その結果、CRISPR/Cas9法を用いることで潜伏HIVプロウイルスの改変が可能であり、それはHIVの標的細胞であるT細胞で使用可能であること、さらには、HIV LTRを標的とすることでウイルスプロモーターの不活性化、ならびに、プロウイルスの抜き取りが可能であることを明らかにした。その他、CRISPR/Cas9法を単体で用いたNHEJ修復経路を介したHIVプロウイルスの変異誘導系だけでなく、相同配列を含むドナーDNAを細胞に同時に導入することによって相同組替え修復経路を介したHIVプロウイルス相同組換え法の確立にも成功した。現在までに、潜伏HIVプロウイルスに含まれる緑色蛍光蛋白質遺伝子を赤色蛍光蛋白質遺伝子へ潜伏状態を維持したまま組換えることに成功している。現在はこのCRISPR/Cas9法を用いた相同組替え技術を使ってHIVプロウイルスにLacO反復配列を組込んでいるところであり、その技術が確立した後は、核内空間におけるプロウイルスの位置情報、そして、ウイルス発現活性を解析する事で感染細胞核内における空間的なウイルス発現制御メカニズムを解明する予定である。
|
Research Products
(7 results)