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2012 Fiscal Year Research-status Report

VpxのC末端領域に存在するポリプロリンモチーフの存在意義と機能解析

Research Project

Project/Area Number 24790443
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

宮崎 恭行  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70607233)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
KeywordsHIV
Research Abstract

HIV-2特有のタンパクであるVpxはマクロファージ(MΦ)での増殖に必須であり、逆転写産物の生成以前の過程で機能することが明らかとなっている。さらに、Vpxを導入したMΦでは、HIV-1のみならず、マウス白血病ウイルス(MLV)のようなレトロウイルスに対してもウイルス増殖が促進されることが報告され、Vpxは大きな注目を集めている。VpxのC末端領域に高度に保存された7つの連続するプロリン残基からなる特徴的なモチーフ(ポリプロリンモチーフ: PPM)があり、Vpxの機能に必須であることが知られている。本研究ではVpxのPPMがVpxの機能発現のためにどのような役割を果たしているのかについて解析を行い、MΦを標的とした抗HIV戦略の基盤の立ち上げを目的としている。
現在までに申請者は以下のことを明らかにしてきた。(1)マクロファージやHSC-F細胞のようなHIV-2増殖にVpxを必要とする細胞でのPPM変異体のウイルス増殖能とVpx PPM変異体の発現量はよく一致していた。このことは、PPMがVpxの発現を促進する機能を有することを示している。(2)これらPPM変異体の発現量の低下はプロテアソームやリソソーム系でのタンパク分解によるものではなかった。(3)ウサギ網状赤血球抽出液を用いたin vitroでの転写・翻訳系により、Vpx PPM変異体の発現量はin vivoと同様の発現パターンを示した。また、mRNAの転写量は野生型およびPPM変異体で差はなかったことから、PPMは翻訳過程において、Vpxの発現を促進していることが示された。(4)大腸菌抽出液を用いたin vitro転写・翻訳系においても、PPM変異体の発現量は著しく減少した。このように、Vpx PPMは真核生物および原核生物に共通の翻訳機構によりVpxの発現を増強することが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究はVpxのC末端領域にHIV-2/SIVsm系において高度に保存されたPPMがVpxの機能発現のためにどのような役割を果たしているのかについて解析を行い、MΦを標的とした抗HIV戦略の基盤の立ち上げを目的としている。
過去の報告からVpxと遺伝的に近縁のHIV-1/HIV-2 Vprは細胞内でタンパク分解機構によりHIV-2 Vpxと比較し、比較的短い半減期を有することが知られていた。またVprはそのC末端にPPMを有しないことから、当初はPPM変異体の発現量の低下はプロテアソームやリソソーム系でのタンパク分解によるものと予想していた。しかしながら、現在までにPPMがVpxの発現を翻訳過程において促進することにより、Vpxの発現を増加させる機構を担っていることが明らかになった。このように当初の予想とは異なる結果になったものの、Vpx PPMの機能を明らかにするという研究目的を達成できたことから、本研究は概ね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

当初はPPM変異体の発現量の低下はプロテアソームやリソソーム系でのタンパク分解によるものと予想していたため、研究計画はプロテアソームやリソソーム系でのタンパク分解に関わる宿主因子の同定を予定していた。しかしながら、現在までにPPMがVpxの発現を翻訳過程において促進することにより、Vpxの発現を増加させる機構を担っていることが明らかになった。そのため、今後はVpx PPMがどのようにしてタンパク翻訳を促進しているのかについて詳細な検討をしたいと考える。まず、Vpx PPMの翻訳促進は真核、原核生物共通の分子機構で働いていることが分かっているので、野生型VpxおよびVpx PPM変異体について、真核および原核細胞において免疫沈降実験を行い、野生型Vpx/Vpx PPM変異体間で異なる結合様式を示す因子について、質量分析を行いその因子の候補を同定する。その後、決定した候補因子をsiRNAによりノックダウンさせ、その効果を検証する。
以上の研究により、Vpxの非常に特徴的なポリプロリンモチーフがVpxの機能に付与する分子機構を明らかにする。このことはVpxのMΦにおけるHIV増殖促進機構についても重要な知見を与えると考える。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Viral tropism.2012

    • Author(s)
      Nomaguchi, M.
    • Journal Title

      Frontiers in Microbiology

      Volume: 3 Pages: 281

    • DOI

      doi:10.3389/fmicb.2012.00281.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] HIV-2 Vpx富プロリン領域の機能.

    • Author(s)
      藤野悠那
    • Organizer
      第26回日本エイズ学会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学日吉キャンパス(神奈川県)
  • [Presentation] HIV-1インテグラーゼC末端領域の1塩基置換によるウイルス複製制御機構の解析.

    • Author(s)
      野間口雅子
    • Organizer
      第60回日本ウイルス学会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場(大阪府)
  • [Presentation] Vpx発現におけるC末端ポリプロリンモチーフの機能の解析.

    • Author(s)
      三宅在子
    • Organizer
      第60回日本ウイルス学会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場(大阪府)
  • [Presentation] in vitro再構築系を用いたHIV-2 CAアセンブリーの安定性に関する解析.

    • Author(s)
      宮崎恭行
    • Organizer
      第60回日本ウイルス学会
    • Place of Presentation
      大阪国際会議場(大阪府)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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