2013 Fiscal Year Annual Research Report
VpxのC末端領域に存在するポリプロリンモチーフの存在意義と機能解析
Project/Area Number |
24790443
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮崎 恭行 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70607233)
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Keywords | HIV |
Research Abstract |
HIV-2特有のタンパクであるVpxはマクロファージ(MΦ)での増殖に必須であり、逆転写産物の生成以前の過程で機能することが明らかとなっている。VpxのC末端領域にHIV-2/SIVsm系において高度に保存された7つの連続するプロリン残基からなる特徴的なモチーフ(ポリプロリンモチーフ: PPM)があり、Vpxの機能に必須であることが知られている。本研究ではVpxのPPMがVpxの機能発現のためにどのような役割を果たしているのかについて解析を行い、MΦを標的とした抗HIV戦略の基盤の立ち上げを目的としている。 現在までに申請者は以下のことを明らかにしてきた。(1)MΦのようなHIV-2増殖にVpxを必要とする細胞でのPPM変異体のウイルス増殖能とVpx PPM変異体の発現量は一致していた。このことは、PPMがVpxの発現を促進する機能を有することを示している。(2)これらPPM変異体の発現量の低下はプロテアソームやリソソーム系でのタンパク分解によるものではなかった。(3)ウサギ網状赤血球抽出液を用いたin vitroでの転写・翻訳系により、Vpx PPM変異体の発現量はin vivoと同様の発現パターンを示した。mRNAの転写量は野生型およびPPM変異体で差はなかったことから、PPMは翻訳過程において、Vpxの発現を促進していることが示された。(4)大腸菌抽出液を用いたin vitro転写・翻訳系においても、PPM変異体の発現量は著しく減少した。(5)種々の異なるサル種から分離されたVpxのPPMについても、PPMがVpxの発現を促進していることを突き止めた。このように、Vpx PPMは真核・原核生物に共通の翻訳機構によりVpxの発現を増強し、またVpx PPMの機能は様々な宿主から分離されたHIV-2/SIV Vpxにおいても保存されていることを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Poly-proline motif in HIV-2 Vpx is critical for its efficient translation.2014
Author(s)
Miyake A, Fujita M, Fujino H, Koga R, Kawamura S, Otsuka M, Ode H, Iwatani Y, Sakai Y, Doi N, Nomaguchi M, Adachi A, Miyazaki Y.
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Journal Title
Journal of General Virology
Volume: 95
Pages: 179-189
DOI
Peer Reviewed
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